40代男性社員の多くは仕事の「モチベーション迷子」……弊害は若手社員に──。働きがいをつくる人事DXの株式会社サイダスが、「CYDAS PEOPLE(サイダスピープル)」のサービスサイトをリニューアル。それに伴い、仕事における「働きがい」について意識調査を行った。すると、20代若手社員と40代ベテラン社員では、仕事に対するモチベーションが著しく違うことが分かった。
調査は、7月29日から8月1日にインターネット上で全国の20代~50代有職者を対象にして行われたもので、有効回答者数は400件。それによると、『今の仕事に働きがいをもって取り組めていますか』という質問に、「十分に取り組めている」「ある程度は取り組めている」「どちらかというと取り組めている」と回答した人は56.3%。2人に1人以上は「働きがい」を感じていることが分かった。
とくに20代男性では「十分に取り組めている」が20%と、より充足感が強い傾向だ。しかし、全体の約4割が働きがいを感じずにいることに、日本のシゴト現場における課題を感じさせる結果ともなった。
『現在あなたにとって理想的な就労環境になっていますか』という質問には、「全くなっていない」との回答が、40代男性と50代男性で最多で、それぞれ18%。この世代が就労環境に不満を持っていることが明らかになっている。
また、『あなたにとっての理想的な就労環境はどのようなものですか(複数回答)』という質問の回答で、40代男性に限ってみると 「自身の成果が評価される(40.0%)」 「自身の成長を感じられる(44.0%)」「自由と裁量が認められる(30.0%)」とすべての回答が全年齢平均を下回っており、他世代と比較して自身の成長・成果を理想として追い求めるわけでもなく、自由と裁量が認められて自ら理想的な就労環境にしようという意欲があるわけでもない=どっちつかずの「モチベーション迷子」になってしまっているのでは?と調査は指摘する。
『同僚や上司・部下と、必要なコミュニケーションを取れていない要因は何ですか(複数回答)』という質問では、「人間関係が険悪」と答えた人が37.8%と最も多く、円滑な社内コミュニケーション不足が浮き彫りになった。
『同僚や上司・部下がどのような仕事をしているか把握していますか』という質問には、「どちらともいえない」「把握していないところが多い」「把握していない」「興味がない」と回答した管理職が21%にのぼり、業務上必要な実態把握をしきれていないことが多いという状況も明らかに。つまり、管理職の5人に1人は部下の仕事内容を正当に評価できない現状だ。これでは若手社員の努力は浮かばれない。
『今の会社で働く理由はなんですか(複数回答)』という質問に対し、最も多かった回答が「給料に満足しているから(29%)」、「働きがいがあるから(21%)」が多い一方で、「特にない」との回答も24%と、4人に1人は、惰性で働いていることに。ここでも、40代男性の「惰性」割合は高く、3人に1人が「特にない」と回答している。
職場で部下が上司を選べない『上司ガチャ』、上司が部下を選べない『部下ガチャ』という言葉が話題にのぼる昨今、ベテラン社員の「モチベーション迷子」による若手社員への悪影響が心配になってくる。
さまざまなワークスタイルの確立や働き方への価値観の多様化にともない、シゴトの現場では多くの課題が生まれているなかで現場の声を拾い上げていくと、利便性や効率ばかりを重視する以上に、働くことに対するモチベーションを高め、働きがいをつくることこそが重要であると調査では結んでいる。