ロンドンを旅するなら必ず訪れたいスポットが、ロンドン近郊のウィンザーにそびえるウィンザー城。
エリザベス女王の公邸のひとつで、実際に君主が住んでいる城としては世界最大のものとして有名です。女王はウィンザー城が大のお気に入りで、週末のほとんどをここで過ごされるとか。
列車ならロンドン・パディントン(paddington)駅で乗車し、スラウ(Slough)駅で乗り換え、ウィンザー&イートン・セントラル(Windsor&Eton Central)駅までおよそ40分。ロンドンから気軽に日帰り旅行を楽しむことができます。
ウィンザー城は、900年もの長きにわたって、英国王室の歴史を見守ってきました。
重厚感あふれる石造りの建物は、お城というよりはむしろ砦。それもそのはずで、ウィンザー城の歴史は11世紀にウィリアム征服王がここに要塞を築いたことにはじまります。
その後、歴代の王たちが増改築を繰り返した結果、中世、チューダー、ゴシックといった各時代の異なる建築様式が混在する現在の姿となりました。
10.5ヘクタールにもおよぶ広大な敷地内には、王宮や礼拝堂、ここで働く人々の作業場や住居など、さまざまな建造物が立っています。
・ステート・アパートメント(公式諸間)
ステート・アパートメント(公式諸間)は、現在も国家的行事に使用されている豪華な部屋の数々。
城内で最も豪華な晩餐会が開かれるという「セント・ジョージ・ホール」や、黄金色の装飾やシャンデリアがまばゆいばかりの「グランド・レセプション・ルーム」など、イギリス王室の権威をまざまざと見せつけるかのような優雅な空間の数々に圧倒されます。
レンブラント、ルーベンス、カナレット、ゲインズボロなど、王室の貴重な名画コレクションも必見です。
・聖ジョージ礼拝堂
聖ジョージ礼拝堂は、イギリスにおけるゴシック建築の最高峰のひとつに数えられる華麗をきわめた礼拝堂。1475年にエドワード4世の命によって建設が始まり、1528年に完成しました。現在見られる姿は、およそ500年前のままほとんど変わっていないといいます。
外観は「バットレス(控壁 )」と呼ばれる天井を支える構造が印象的。礼拝堂内部に足を踏み入れると、光に照らされてきらめく色とりどりのステンドグラスの美しさに息を呑みます。
天井に施された流れるような彫刻も圧巻で、あまりにも華麗で荘厳な光景に時間を忘れて見入ってしまいそうです。
・メアリー王妃の人形の家
「世界一有名なドールハウス」とも呼ばれるメアリー王妃の人形の家。1921年に、マリー・ルイーズ王女からメアリー王妃へのプレゼントとして制作されたのです。
ミニチュアといっても侮るなかれ。実際にウィンザー城内にある装飾や備品を12分の1の縮尺で、1500人もの職人が3年もかけて造り上げたというドールハウスは気が遠くなるほどの精巧さ。
ドールハウスの水道は実際に使うことができ、食卓のお皿は純金製、さらにワインの瓶には本物のワインが入っているというこだわりようで、その芸の細かさにはただただ驚くばかりです。
・衛兵交替式
ウィンザー城は華やかな衛兵交替式が行われることでも有名。4~7月は日曜日を除く毎日11時から正門を入ってすぐの広場で開催され、期間外にも定期的に行われます。
黒い毛皮の帽子と赤いコートに身を包んだ衛兵たちの姿を見れば「イギリスに来た!」という感慨が強まること間違いなし。衛兵交替式を見るなら、早めにスタンバイしてベストポジションを確保しましょう。
900年にわたって王室の歴史を見守ってきただけでなく、現在進行形で王室の歴史の舞台となっているウィンザー城。この地を踏めば、イギリスが誇る伝統と格式を肌で感じることができるはずです。
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