歴史的な町並みを残す首都がすべて世界遺産に登録されている、エストニア・ラトビア・リトアニア。「バルト三国」と総称されるこれらの国々は、その美しい風景から日本でも人気上昇中の今注目の旅先です。

今回はバルト三国の中央に位置する国、多彩な建築が魅力のラトビアをご紹介します。

・ラトビア基本知識

バルト三国の真ん中に位置するラトビア共和国は、面積が北海道の約60パーセントにあたる6万4589平方キロメートル、人口およそ196万人の小国。

主要民族はラトビア人で人口の61.8パーセント、次いでロシア人が25.6パーセントを占めます。ほかに、ウクライナ人やベラルーシ人、ポーランド人などが共に暮らしています。

おもな宗教はキリスト教で、北部や西部にはプロテスタントが多く、東部はカトリックが多数派。ロシア系住民のなかにはロシア正教を信仰する人も少なくありません。公用語はラトビア語ですが、観光地では英語もよく通じます。

・ラトビアへの道

2018年1月現在、日本とラトビアを結ぶ直行便はないため、ロシアのモスクワやフィンランドのヘルシンキ、ポーランドのワルシャワ等で最低1回は乗り継ぐ必要があります。

ただし、日本からラトビアを訪れる場合、バルト三国をまとめて周遊するのが一般的。その場合はまず飛行機でフィンランド入りし、ヘルシンキから高速船でエストニアのタリンへと渡り、エストニアからはバスでラトビアへと移動することができます。

バルト三国はそれぞれがとても小さな国なので、3ヵ国合わせての周遊も楽ちんです。

・気になる治安は?

ほかのヨーロッパ諸国と比べてもラトビアの治安は決して悪くなく、筆者の印象ではむしろ治安の良い部類に入ります。貴重品の管理に気を配る、夜遅くにむやみに出歩かないといった常識的な注意を怠らなければ、危険な目に遭う可能性は低いといえるでしょう。

女性の一人旅でも特別な心配する必要はありません。

・世界遺産の首都リガ

バルト三国最古の町であり、最大の都市でもあるのが、13世紀にドイツ人によって創設されたラトビアの首都リガ。バルト海に面した開放的な港町で、歴史的な町並みは「リガ歴史地区」としてまるごと世界遺産に登録されています。

高さ72メートル地点にある聖ペテロ教会からの眺めはまさに絶景。この景色を見なければ、リガの観光ははじまりません。

リガ散策の醍醐味は、個性的な建築物の数々。旧市街には、中世の時代に建てられた古い教会から、独特のシルエットが印象的なブラックヘッドの開館や、猫の家など、リガの歴史を彩ってきたさまざまな年代の歴史的建造物がひしめき合っています。

そして、新市街にはツェッペリン飛行船の格納庫を使用した中央市場や、人面などを多用した奇想天外なユーゲントシュティール建築群・・・リガはヨーロッパでも指折りの建築都市。

バルト三国最大の都市は、バルト三国でもっともエキサイティングな町だといえるでしょう。

・「バルトのベルサイユ」と呼ばれるルンダーレ宮殿

ラトビアで最も有名な見どころのひとつが、その壮麗さから「バルトのベルサイユ」と称されるルンダーレ宮殿。貧しい貴族からクールランド大公に上りつめたビロン公の夏の離宮として、1736年に着工されました。建設にはのべ1500人もの職人が携わり、1768年に完成。

バロック様式の宮殿の内部には、豪華なロココ様式の装飾が施され、「贅を尽くした」という表現がぴったりの華麗な空間に仕上がっています。なかでも、人工大理石と金箔を張った漆喰彫刻や天井画で彩られた「黄金の広間」は圧巻の華やかさ。

バルト三国のなかでも特に美しく個性的な建築物の数々に出会えるラトビア。建築好きの人にとってはまさに「天国」ではないでしょうか。

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