洗練された近代的な建築物とレンガ造りの重厚な町並みが見事に融合した、デンマークの首都・コペンハーゲン。

「おとぎの国」の首都にふさわしい、美しい景観を誇る町を代表する建造物のひとつがコペンハーゲン市庁舎です。コペンハーゲン中央駅からも近く、H.C.アンデルセン通りを挟んでチボリ公園の向かいに位置する市庁舎は、まさにコペンハーゲンの中心。

現在見られる建物は、1905年に完成した6代目で、中世デンマーク様式と北イタリアのルネッサンス様式を取り入れた堂々たるたたずまいは、「コペンハーゲンの顔」とでもいうべき風格を備えています。

・現役の議場をガイドツアーで見学

市庁舎のホールは展覧会などのイベントにも使われるため、入口が開いていれば自由に入って内部を見学することができますが、ガイドツアーでしか見学できない部屋もあります。

その一つが、今も実際に審議の場として使われている議場。現在市議会には55人ほどのメンバーがおり、7人の市長のうちの1人がリーダーを務めるといいます。

クラシカルな雰囲気たっぷりの重厚な議場は壮観。ガイドツアーに参加すれば、議長席に座って写真を撮ってもらうこともできますよ。

空きがあれば市民にも貸し出されるバンケット・ホールや、市長のミーティングルームも見学可能。

市長のミーティングルームにはこれまでの市長のポートレートが飾られていますが、なかには日本なら考えられないTシャツ姿の市長のポートレートも。こんなところにも、コペンハーゲンの自由な気風が感じられます。

・細部の装飾が美しいフォトジェニックな館内

現在のコペンハーゲン市庁舎の建物は1905年完成とそれほど古いものではありませんが、細部まで技巧を凝らした美しい装飾が随所に見られ、実際にこの建物が経てきた歳月以上の貫録と重厚感があります。

館内を見学する際は、天井や壁画、柱や壁面に設けられたアーチや彫刻、ステンドグラスなど、細部の装飾にもご注目を。

・塔からの風景

コペンハーゲン市庁舎の塔は、コペンハーゲンで2番目に高い105.6メートルの高さをもつことで有名です。ちなみに、コペンハーゲンで最も高い塔は、高さ106メートルのクリスチャンスボー城の塔です。その差はわずか40センチ。

実は、コペンハーゲンには「市庁舎の塔より高い建物を建ててはならない」という条例があり、近代的な建物はあっても高層ビルはなく、歴史的な町並みが守られているのです。

市庁舎の塔へはガイドツアーでのぼることができ、館内のガイドツアーと塔のガイドツアーのチケットは別々。館内のガイドツアー終了後に塔のガイドツアーが始まるので、両方に参加したい場合は、はじめに両方のツアーのチケットを購入しておくとスムーズです。

絶景スポットとして名高い市庁舎の塔の上からは、ところどころに端正な塔が顔をのぞかせるコペンハーゲンの美しい町並みが楽しめます。

コペンハーゲンにはほかにも美しい景色を楽しめる塔がいくつかありますが、ここからはすぐそばにあるチボリ公園が見渡せるのがポイントです。

・イェンス・オルセンの天文時計

もうひとつ、コペンハーゲン市庁舎で有名なものといえば、100年で1000分の1秒しか誤差が発生しないというイェンス・オルセンの天文時計。

天文学愛好家で時計職人のイェンス・オルセンによって、50年以上かけて設計されたもので、いくつかの部分はフランス・ストラスブールの大聖堂にある天文時計を参考にしているのだとか。1948年から1955年にかけて組み立てられて以来、ここで時を刻み続けています。

外から見るだけでも迫力満点のコペンハーゲン市庁舎ですが、中にはさらなる魅力がぎっしりと詰まっています。

コペンハーゲンを訪れたら、ぜひ市庁舎のガイドツアーに参加して、楽しいエピソードとともにその美しい空間を堪能してはいかがでしょうか。

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