ドイツと国境を接するフランス東部のアルザス地方。

アルザス地方は地理的にドイツに近いだけでなく、過去にはドイツ領になった時期もあったことから、木組みの家々が並ぶドイツ風の町並みが広がり、食文化にもフランスのほかの地方とは異なるドイツの影響がみられます。

そんなアルザス地方の中心都市が、フランス最古のクリスマスマーケットが開かれることで知られるストラスブール。

ストラスブールで地元の人に支持される、とっておきのレストランが「トノー(Tonneau)」です。

トノー(Tonneau)とは、フランス語で、酒類を入れる大樽の意味。その名の通り、美味しいワインと料理を楽しめるお店として知られています。

観光都市ストラスブールには、ノートルダム大聖堂やプティット・フランス周辺を中心に観光客向けのレストランもたくさんありますが、手ごろな料金でおいしい料理にありつくなら、地元っ子に人気のお店が一番。

「トノー(Tonneau)」は、商業施設が立ち並ぶストラスブールきっての繁華街・クレベール広場の近くに位置するカジュアルなレストラン。お昼どきともなれば多くの地元客でにぎわいます。

繁華街とはいえ、レストランがある通りは落ち着いた雰囲気で、気軽な店構えながらゆったりと食事が楽しめます。

ワインのボトルが壁にずらりと並ぶ店内は、モダンながらアルザスらしい素朴な雰囲気も。

食事メニューはタルトフランべやシュクルートといったアルザス料理のほかに、オリジナルのハンバーガーやカツレツなど、伝統料理と現代的な料理をミックスさせたラインナップです。

筆者は人気メニューのひとつ、マッシュルームのタルトフランベをいただくことに。

木製の四角いプレートに載って登場したタルトフランベからは、こんがりチーズとベーコンの香りが漂ってきてなんとも食欲をそそります。

日本語ではしばしば「アルザス風極薄ピザ」と呼ばれる通り、タルトフランベの生地は一般的なピザよりもずっと薄いのが特徴。それでいて、おいしいタルトフランベを出すお店の生地はミルフィーユのように層になっているので、カリッ・サクッとした食感が楽しめるのです。

具材は、フロマージュブランまたはサワークリームを塗った生地の上に、スライスしたタマネギやベーコンを散らすのが伝統的なアルザススタイル。このようにマッシュルームを散らしたもの、あるいはズッキーニやトマトを載せたイタリア風のものなど、店によってさまざまなバリエーションに出会えます。

「トノー(Tonneau)」のタルトフランベは、生地はサクッと軽いのに、具材はジューシー。とろけるチーズの食感やマッシュルームの歯ごたえがたまりません。

フランスのタルトフランベは、日本人にはやや塩気が強く感じられることがありますが、こちらは絶妙な塩加減で、クリーミーなフロマージュブランとベーコンのほどよい塩気が見事なハーモニーをつくり上げています。

タルトフランベは白ワインとの相性が抜群。アルザス名物のリースリングなどとともにいただけば、相乗効果でタルトフランベもワインもいっそうおいしく感じられますよ。

ストラスブールを訪れたら、地元の人も認める味を提供するレストラン「トノー(Tonneau)」で、おいしいアルザス料理に舌鼓を打ってはいかがでしょうか。

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名前 「トノー(Tonneau)」
住所 19 rue du Fosse des Tanneurs, 67000, Strasbourg, France
電話 +33 3 88 13 29 40