喧騒の大都会、バンコク。そのなかでもとりわけカオスなエネルギーが感じられるのが、昔ながらの町並みが残るチャイナタウンです。

派手な漢字の看板が道路に突き出す看板が並ぶ光景は中国さながら。近代的なショッピングセンターが建ち並ぶサイアムや、落ち着いた雰囲気のスクンビットとはまったくの別世界です。

タイにいながらにして中国文化が感じられるバンコクのチャイナタウン「ヤワラート」は、外国人観光客にも人気。活気あふれる独特の町並みが旅行者を惹きつけているのはもちろんのこと、安ウマグルメの宝庫としても注目されています。

バンコクのチャイナタウンに足を運ぶなら見逃せないのが、憧れの高級グルメ。ヤワラートでは、フカヒレやツバメの巣といった高級食材が安く味わえるのです。

そんなヤワラートで最も人気と知名度の高いお店のひとつが、1973年創業の「和盛豊(フアセンホン)」。

あのフカヒレがリーズナブルに食べられるお店として、味にうるさい華人にも支持され続ける名店です。

赤い外壁と、鍋を持ったコックさんが描かれた赤い看板が目印。店先にはフカヒレや持ち帰り用の肉まん、焼売などが並んでいて、次から次へとお客さんがやってきます。

麺類など一部の料理は入口前の屋台で調理されていて、古き良きアジアの雰囲気が旅情を盛り上げてくれます。

高級食材のフカヒレが売りのお店でありながら、店内も飾り気はなく庶民的な空間。いかにも「味で勝負」といった雰囲気に期待が高まります。

人気店ゆえ、食事どきには行列ができることもありますが、席数が多く回転が早いため、待ってみる価値はあります。

和盛豊(フアセンホン)の名物といえば、ぐつぐつ煮立った状態で提供される小鍋入りのフカヒレスープ。

フカヒレだけでなく、カニの身やしいたけが入ったボリューム満点のスープです。

気になるお値段は、小サイズが330バーツ(約1100円)、中サイズが550バーツ(約1900円)、大サイズが1100バーツ(約3800円)。他のメニューも合わせて注文するなら、小サイズを2人で分けてちょうどいいくらいでしょう。(写真は小サイズ)

あつあつのフカヒレスープは、もやしとパクチーを添えて提供されます。もやしは熱を通さずにシャキシャキの食感を楽しむのもよし、土鍋に入れて少しまって余熱でしんなりさせるのもよし。

とろみのついたスープは、フカヒレとカニ、しいたけのダシがきいた滋味あふれる一品。地元の人はこれにさまざまな薬味や調味料をたくさん混ぜていましたが、なにも加えなくても十分深く優しい味わいです。

むしろ、あれこれ加えるよりも、何も足さずに素材の旨みを楽しむほうが日本人好みではないでしょうか。

日本でフカヒレスープといえば、高級店を除いてほぐしたフカヒレが申し訳程度に入っている程度ですが、和盛豊(フアセンホン)のフカヒレスープは、1000円でも小さめにカットされたフカヒレやカニの身がゴロゴロと入っています。

予想以上のフカヒレの量。一度にこんなにたくさんのフカヒレが食べられるなんて、なんという贅沢なのでしょう。高級店で出される姿似に比べると食感にやや物足りなさもありますが、かすかに「コリッ」としたフカヒレ独特の食感が楽しめます。

フカヒレで有名な和盛豊(フアセンホン)ですが、餃子や焼売、春巻きやきまきといった天心にも定評があります。

エビの水餃子は、モチモチの皮のなかにプリプリのジューシーなエビが入ってとっても美味。できたての天心やチャーハンなどの一品料理とともに、自慢のフカヒレスープを堪能しましょう。

食堂風の庶民的なレストランで、高級食材を味わう・・・日本ではちょっとハードルの高いフカヒレも、バンコクでは肩ひじ張らず、お得に楽しめますよ。

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お店 和盛豊(フアセンホン)
住所 367-373 Khet Samphanthawong Bangkok 10100
営業時間 8:00~21:00
お店の公式ホームページ http://huasenghong.co.th/home-jp/