フランクフルトから電車で1時間ほどの場所にある、ヘッセン州の州都ヴィースバーデン。バーデン・バーデンに次ぐ高級温泉保養地としてその名を馳せる町には高級ホテル、劇場、カジノが集まり、お金持ちがエンターテインメントを楽しみに訪れます。
また通りにはユーゲントシュティールの高級住宅街が構えるなど、町全体が優雅な雰囲気に包まれているのがヴィースバーデンの特徴と言えるでしょう。
そんなヴィースバーデンの郊外には、水の力で走る少し変わったケーブルカー「ネロベルク鉄道」があります。水の力で走るとはどういう事なのか、皆さんも気になるかと思います。さっそくその謎に迫ってみましょう。
ネロベルク鉄道があるのは、ヴィースバーデン郊外にあるネロ山のふもと。ヴィラのならぶ閑静な住宅地や公園が広がる一角に、やがてアーチ状の橋が見えてきます。
ネロベルク鉄道は1888年に操業を開始した、 100年以上もの歴史を持つケーブルカー。ネロ山の麓から山頂までを438mの線路が結びます。
鉄道の動力源となるのは水の重み。山頂駅に到達したケーブルカーには7000リットルもの水が注入され、その重みで坂を降下していきます。その際ケーブルで繋がれたもう1つのケーブルカーが、こんどは坂の上方へ引っ張られるという仕組みです。
山頂駅ではこの青い管から水を車両に注入します。
坂を下る際には、途中で上ってくる車両とすれ違います。この2つの車両がケーブルで繋がれており、片方が降下する際にもう片方の車両が引っ張られて坂を上っていくのです。
そして麓の駅に到着すると、勢いよく水を放出。
わずか400mほどの短い区間ですが、珍しい乗車体験ができるとあって特に週末には多くの人々が訪れます。乗車される際はぜひ前方のテラス部分に乗ってみてください。係員が操縦する様子が見られるほか、周囲の景色もここからが一番よく見えます。
また山頂には、ロシア正教会、第一次大戦の記念碑など見どころも沢山。特にロシア正教会内の華麗なモザイク画は必見です。
100年以上も人々に愛され続ける「ネロベルク鉄道」。水の重みで走行する不思議な体験は、あなたの旅を一層刺激のある物にしてくれるはずです。
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