スウェーデン南部のスコーネ地方は、豊かな穀倉地帯と美しい自然が広がるエリア。スウェーデンとデンマークが地理的に最も接近する海峡沿いの街ヘルシンボリは、デンマークまでボートでたった15分ほどでアクセスできます。
デンマーク側の街ヘルシンオアには「ハムレット」の舞台として知られる世界遺産の古城クロンボー城があり、天気が良い日には姿を見る事ができます。
デンマークのコペンハーゲンやスウェーデンのマルメなどの大都市から日帰り観光でも訪れることができる、レトロな街並みを残すヘルシンボリを訪ねてみましょう!
ヘルシンボリ(Helsingborg)の玄関口であるヘルシンボリ中央駅は、鉄道駅とフェリーターミナルが繋がっており、街並みとは随分と雰囲気の違う近代的な建物「Knutpunkten(クヌートプクンテン)」内に位置します。
鉄道や船で毎日通勤や通学のために国境を超える人が多くいるのですが、島国の日本の感覚で言うと、気軽に国境を超えるということが新鮮です。
駅から少し歩くと、ヘルシンボリのランドマーク的な存在の市庁舎が見えてきます。
尖がり屋根と65メートルもの高い塔を誇る市庁舎は、おとぎ話のお城のような外観。
19世紀末に建てられたネオゴシック様式の建物で、定時になると鐘楼から素敵な音楽が聞こえてくるので、耳を澄ましてみましょう。
船でヘルシンボリの街を訪れると、市庁舎とすぐ側のかつての城跡のシェールナン(Kärnan)の塔の迫力に驚くかもしれません。
現在はスウェーデンの地方都市の一つですが、かつてはデンマークとスウェーデンが領土を争った重要な都市でした。
ヘルシンボリは北欧最古の町の一つで、デンマーク領であった11世紀には既に現在と同じ「Helsingborg」という名前が記録に残されています。
16~17世紀頃には、バルト海周辺に多く植民地を持つほど軍事力を持ったスウェーデンがスコーネ地方の実質支配を始めました。
17世紀後半のデンマークとスウェーデン間のスコーネ戦争で、ヘルシンボリの街のほとんどは焼き払われてしまい、当時の建物はたった一軒の家と教会のみが残っています。
北大通り(Norra Storgatan)に面する赤いレンガと木組みの建物は、町の有力者であったヤコブ・ハンセンの家(Jacob Hansens hus)で、奇跡的に焼け残りました。
もう一軒はかつてデンマーク最大の教会であった聖マリア教会(S:ta Maria kyrka)で、立派なステンドグラスや14世紀に作られた木造の祭壇を誇ります。
ヘルシンボリは徒歩で観光できるほどのエリアにぎゅっと見どころが詰まっています。
絵本の世界のような美しい街並みを誇るヘルシンボリを訪ねてみませんか?
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