ラーメン 550円

海岸の集落にあるラーメン屋「伊原純平」。店主はすでに80代で、ひとりで厨房に立ち、昼の約3時間だけラーメンを作り続けている。この味、あまりにも風味絶。地元民は大絶賛しているが、もはや伝説となり、神話と化してしまうのか。

伊原純平の店主は、伊原純平さん。1976年からこの地でラーメンを作り続けており、店がある秋田県にかほ市の住民の間では、一目置かれる人気のラーメン屋となっている。にかほ市で「美味しいラーメン屋はどこか?」と聞くと複数の店名があがるが、最後に「やっぱり伊原純平かな」と口をそろえて言う。

とはいえ、伊原純平にはクルマなしでは非常に行きにくい。近くにはJR小砂川駅があるものの、無人駅であり、1日の利用者は数人いれば多いほう。

一度列車を降りれば、次に乗れるのは3~4時間後であり、時間帯によってはもうその日に列車は来ない。



伊原純平は、風光明媚で潮風が心地良い磯の香りを運んできてくれる海岸沿いの集落にある。鳥海山の地下水が湧き出ている地域でもあり、牡蠣が美味しいことでも知られている地域だ。

このあたりにある飲食店は、この伊原純平だけ。2019年夏、暖簾をくぐって店内に入るとサウナのような熱い空気が充満していた。エアコンが壊れてしまい、しかももう修理できないという。暑くても我慢して過ごすしかないが、それでも昼になると地域住民や遠方からの客がやってくる。






手伊原純平さんは耳が不自由なため、大声で注文するか、筆談で食べたい料理名を書いて見せる必要がある。80代で耳が不自由になろうとも、厨房に立ってひとりでラーメンを作り続けている伊原純平さんは非常に優しげな表情をしているおじいちゃんだ。

今回はラーメンを注文。注文から10分ほどでテーブルにやってきたラーメンは、クリアなスープのあっさり醤油で飾らないラーメン。油が浮いていないのが特徴のひとつで、縮れ麺をすするたびに純粋なダシと醤油の旨味だけが味覚を包む。はっきり言って、旨い。




あまりにもシンプルながら、他店では絶対に出せない唯一無二のウマさ。しかしながら、伊原純平が近いうちに閉店するのではないかと、地域住民から悲しみの声が出ている。複数のにかほ市民が「伊原純平もうやめると言ってて心配してます」と語っていた。

とある若者は「やめると言いながらやめてないので「やるめ詐欺」かもしれない(笑)」とジョークを言っていたが、伊原純平さんは80代の高齢。この味が受け継がれずに消えてしまうのは寂しい。

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伊原純平
住所: 秋田県にかほ市象潟町小砂川字小田14-17
時間: 11:00~14:30頃
休日: 無休(要確認)