九州を代表する温泉地のひとつにも数えられるのが、大分県の別府温泉。8つの温泉郷があることから「別府8湯」とも呼ばれ、温泉の湧出量は日本最大級を誇ります。そんな別府温泉では温泉に浸かるのはもちろん、観光やグルメも豊富。今回はそんな別府観光で見逃せないアクティビティのひとつである「べっぷ地獄めぐり」を紹介します。

この地で1000年以上にもわたり噴出している温泉がつくり出すのは、まるでこの世の物とは思えないまさに「地獄」を描写したかの光景。これらの温泉が「地獄」と呼ばれるようになったのは、モクモクと立ち上る湯気や噴出口から噴き出す熱湯の様子が人々を恐れさせたからだと伝えられています。

べっぷ地獄めぐりに含まれるのは、海地獄、血の池地獄、龍巻地獄、白池地獄、鬼石坊主地獄、鬼山地獄、かまど地獄の7ヵ所。それぞれの地獄では大人400円の入場料がかかりますが、5ヵ所以上巡る予定であれば2000円の共通券を購入するのがお得です。

7つある地獄の中でも特に「地獄らしさ」を感じられるのが、血の池地獄。地下での化学反応の結果生じた赤い熱泥が堆積することにより、池一面が血のような真っ赤に染まっています。この光景は現代の人々が見ても怖さを感じるくらいですから、池が赤くなる仕組みをしらなかった太古の人々が感じた恐怖は相当な物だったでしょう。

血の池地獄とは対照的に真っ青なのが、海地獄。コバルトブルーをした湖の脇にはヤシらしい植物も見られるなど、地獄とは対照的なリゾートらしい雰囲気も漂っています。とはいえ湖に湧き出る温泉の温度は98度とまさに地獄。その見た目に騙されて決してお湯に触れないよう、注意が必要です(近づけないようにしっかり柵があります)。

海地獄でのもう一つの見どころは、温泉のお湯を利用した温室。大鬼蓮のほか蘭やバナナなどの植物が並び、ここだけ南国にタイムスリップしたかのようです。大鬼蓮は大きいもので直径が3メートルにもなる世界最大級のハス植物で、葉の上に子供が乗っても沈まないという面白いもの。海地獄ではお盆の時期に葉の上に子供が乗れるイベントもあるので、興味のある方はぜひ出かけてみてください。

7つある地獄温泉のなかでもひと味違った怖さを体験できるのが、鬼山地獄。別名「ワニ地獄」とも呼ばれているように、園内の池では約70頭のワニが飼育されています。池の中にワニの大群がいる様子は、思わずあとずさりしてしまうほどの恐ろしさ。大きなワニは怖いですが、タイミングが合えば可愛い子ワニにも出会う事ができますよ。

7つの地獄をめぐる「べっぷ地獄めぐり」。今回はそのなかから3つしか紹介しませんでしたが、どこも個性的な特徴があって興味深いのでぜひ全部制覇してみてください。散策途中に温泉の蒸気で蒸したプリンや温泉卵を食べてみるのも、温泉巡りならではの楽しみとしておすすめです。

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