イスラム教の開祖ムハンマドの盟友であるエユップ(アイユーブ)が眠るトルコ・イスタンブールのエユップは、ムスリムにとって非常に重要な場所であり、メッカやメディナ、イスラエルに次ぐ聖地ともされています。
エユップに巡礼に訪れる人たちは、エユップ・スルタン・モスクや盟友エユップの霊廟はもちろん、その周辺にあるオスマン帝国時代に活躍したスルタンの子息や宰相などの墓に訪れるのが定番のコースです。そして、エユップに来た人がこぞって訪れるスポットがもう一つあります。
それが、エユップの丘の上にあるカフェ、「ピエールロティのチャイハネ」です。イスタンブールを旧市街と新市街に分ける金角湾の絶景を眺めることができる、エユップで最も有名なカフェの一つです。
エユップ・スルタン・モスクから「ピエールロティのチャイハネ」にはテレフェリッキというロープウェイでアクセスしたり、木々で覆われた階段を上って丘の上まで歩いていくこともできます。
季節の花や木々に囲まれた雰囲気のよいカフェには、トルコ国内のみならず海外からの観光客の姿も多く見られます。金角湾の絶景をより近くに見ようと、フェンス側の席はあっという間に満席になってしまいます。
カフェからは、金角湾の絶景はもちろん、新市街側の街並みやシンボルマークでもあるガラタ塔の方まで見渡すことができます。一方で旧市街側に目を向けると、そこには世界遺産に登録されているイスタンブール歴史地域が広がっています。トプカプ宮殿やアヤソフィア博物館、ブルーモスクといったイスタンブールを代表する歴史的スポットを眺めることができます。
そんな「ピエールロティのチャイハネ」は、19世紀後半まではラビア・カドゥン・カフヴェハネスィという名の喫茶店として地元の人に愛されていました。
現在「ピエールロティのチャイハネ」と呼ばれているのは、1850年生まれのフランスの海軍士官・作家のピエールロティが世界中を航海し、イスタンブールを訪れた際にこの喫茶店を発見して大変気に入った、ということに由来します。
ピエールロティは、日本を含む世界各地の土地を題材にした作品を残しましたが、とりわけイスタンブール、そしてイスタンブールの絶景を眺めることができるこの喫茶店で執筆活動をすることを好んだといいます。
街の喧騒から離れたこのカフェで絶景を眺めながら一息つけば、足繁くこの場所に通ったピエールロティの気持ちや、イスタンブールのより深い魅力をきっと感じることができることでしょう。
イスタンブールを訪れたら、フランスの作家や地元の人にも愛されてきた「ピエールロティのチャイハネ」にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。もちろん、聖地エユップへの巡礼もお忘れなく。
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名前 ピエールロティのチャイハネ(Pierre Loti Kahvehanesi)
所在地 Eyüp Merkez Mah, İdris Köşkü Cd., 34050 Eyüp/İstanbul