新型コロナウイルス感染拡大により、海外旅行はおろか、日常の外出すらも制限される日々。

旅好き・お出かけ好きの人は、自由に出かけられないことに対し、ストレスやフラストレーションを抱えて毎日を過ごされているのではないでしょうか。

しかし、こういった毎日もいつかは終わりが来ます。また自由に海外旅行が楽しめるようになるその日まで、今はしばしの脳内トラベルを楽しみましょう。

世界にはまだ見ぬ風景がいっぱい!「コロナ後」に行きたい世界遺産として、今回はベトナムの古都・ホイアンを紹介します。

ベトナム中部に位置する古都・ホイアンは、近年世界的に人気が急上昇している観光地。旧市街がまるごと世界遺産に登録されており、古色蒼然たる町並みは、タイムスリップしたかのような気分にさせてくれます。

かつてベトナム中部沿海地方を支配したチャンパ王国の時代、ホイアンは中国とインド、中東と結ぶ貿易の中継地として繁栄し、15~19世紀にかけてはアジアとヨーロッパの交易の中心に躍り出ました。

日本ともゆかりの深い町で、16~17世紀にはタイのアユタヤにも匹敵する日本人町ができ、最盛期には1000人以上の日本人が住んでいたといいます。

そんな歴史的背景から、ホイアンの町並みはベトナムのなかでも異色。中国風や日本風、ヨーロッパ風の建築様式が入り混じり、初めてなのにどこか懐かしい、ノスタルジックな雰囲気に満ちています。

クリーム色で統一されたコロニアル様式の家々に、鮮やかなピンクのブーゲンビリア、ホイアン名物のカラフルなランタンがあいまって、どこか異世界を思わせる幻想的な雰囲気を醸し出しています。

旧市街には、中国風の廟や「会館」と呼ばれる集会場、日本やヨーロッパの建築様式を採り入れた邸宅など、数々の歴史建造物がひしめき合い、町全体が博物館のよう。

立派な王宮のような派手な観光スポットがあるわけではありませんが、ホイアンはまさに町全体が観光スポットなのです。

そんなホイアンのシンボルが、「日本橋」の愛称をもつ「来遠橋(らいおんばし)」。16世紀に建造された屋根付き橋で、ベトナムの2万ドン札にもデザインされているほど有名な橋。「日本橋」の別名は、当時ホイアンに住んでいた日本人によって造られたという説に由来します。

わびさびを感じさせるその姿を目にすれば、「日本人が造った」という説にも納得。来遠橋周辺では、「日本橋」と書かれたちょうちんや、日本風のお土産を売る店もあり、日本との浅からぬ縁を意識させます。

日中の散策も楽しいホイアンですが、ある意味ホイアン観光は夜が本番。陽が暮れると、町じゅうのランタンにあかりが灯り、カラフルな色彩の競演が始まります。

日中ののんびりとした南国的なムードとは打って変わって、夜のホイアンはちょっと切ないほどにロマンティックで幻想的。

トゥボン川に面した通りはとりわけ賑やかで、色とりどりのランタンに彩られた手漕ぎボートが川面を行き交っています。ホイアンに来たからには、ぜひこの手漕ぎボートに乗って、川の上からライトアップされた古都の風景を堪能しましょう。

ビーチリゾートとして人気を集めるダナンから近いゆえ、日帰りで訪れる旅行者も多いホイアンですが、時間とともに表情を変える旧市街の姿を見てこそ、ホイアンの真の魅力がわかるというもの。

おしゃれなカフェやレストランも多く、入りたくなるお店には事欠かないホイアン。できればゆっくりと滞在して、その魅力にどっぷりと浸かってはいかがでしょうか。

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