トルコには「クルファスリエ」という白インゲン豆のトマト煮込み料理があります。トルコの一般家庭でよく作られる料理の一つで、家庭によって微妙に味が異なります。とても食べやすい味わいなので「クルファスリエ」はトルコ人にとっては子供の頃から馴染みの深い食べ物でもあり、トルコの「おふくろの味」ともいえるくらいです。

そんなトルコの王道の家庭料理「クルファスリエ」は、一般家庭ではもちろん、街中にあるレストランやロカンタという大衆食堂でも定番となっている煮込み料理であり、トルコ人の日常生活には欠かせない料理なのです。

もちろん、私たちも旅行中に気軽に挑戦できるトルコ料理のひとつでもあります。豆のほくほくとした優しい味わいに、どこか懐かしい気分になったかたもいらっしゃるのではないでしょうか。香辛料を多用するトルコ料理が苦手なかたにとっては、シンプルな調味料で作る「クルファスリエ」はきっと挑戦しやすいトルコ料理のひとつでしょう。値段も一人前が20TL(約260円)くらいと、とてもお手頃な料理です。

現地の料理を実際に自分で再現するのは難しいこともありますが、実はこの「クルファスリエ」は、日本にある食材で簡単に作ることができるのです。しかも調理工程もとても簡単です。

3人分の材料は、白いんげん豆240グラム、牛もも肉60グラム、玉ねぎ1/2、トマトピューレ100グラム、オリーブオイル、水、塩、コショウです。

トルコではトマトピューレの代わりにサルチャという濃厚なトマトペーストを使用しますが、日本では手に入らないことが多いのでトマトピューレで代用します。

白いんげん豆は、乾燥したものを使う場合は前日から水と重曹につけて柔らかくしておきます。使用する前に、湯がいてしっかりと灰汁を取り、ざるに移しておきます。

鍋に大さじ2くらいのオリーブオイルを入れ、みじん切りにした玉ねぎをあめ色になるまで炒めます。玉ねぎの色が変わったら、細かく切った牛肉、トマトピューレを入れます。黒コショウと塩で少し濃い目に味付けをします。

そこに、先ほど灰汁を取っておいた白いんげん豆を入れ、豆が隠れるくらいまで水を足して1時間ほど蓋をして煮込みます。豆が柔らかくなり、全体がまとまってきたら完成です。

トルコでは肉を入れずに、肉から採った出汁を使うこともあれば、オリーブオイルの代わりにバターを使うこともあります。また、家庭やお店によっては赤トウガラシを入れて大人向けのピリ辛味にしたり、細かく刻んだピーマンを入れることもあります。材料を変えて何度か作ってみて、自分のお気に入りのレシピを編み出してみるのも面白いかもしれません。

トルコの伝統的な家庭料理「クルファスリエ」は、トマトの季節にはもちろん、寒い季節にもピッタリの体が温まるメニューです。トルコで一度食べたことがあるかたは、現地の味を思い出しながら「クルファスリエ」を作ってみてはいかがでしょうか。

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