日本各地にはそれぞれの街や地域の方々がこよなく愛し、磨き上げられてきた絶品グルメが必ず1つや2つ存在する。
しかしその絶品グルメは、ほとんどの場合地元の人にとっては「常識」や「当たり前」のため、その街や地域以外の人にはなかなか知られることがないのが、現状である。
例えば、愛知県・安城市にある「北京本店の北京飯」や広島県・広島市にある「陽気のラーメン」、石川県・金沢市にある「グリルオーツカのハントンライス」、新潟県・新潟市にある「みかづきのイタリアン」、大阪府・大阪市にある「かどやの豚足」、長野県・上田市にある「日昌亭の焼きそば」北海道・札幌市にある「だるまのジンギスカン」などなど、さまざまな美味しいグルメがキラボシのごとく日本各地に輝きを放って存在している。
今回はそんな絶品の地方グルメの中から、松阪牛で有名な三重県松阪市が誇る牛肉ではないソウルフードの1つをご紹介したい。
お店の名前は「不二屋(ふじや)」だ。
・1929年(昭和4年)創業の中華そば、焼きそば専門店、それが「不二屋(ふじや)」
こちらのお店、なんといまから92年前の創業1929年(昭和4年)という歴史ある名店。
1929年(昭和4年)といえば、日本国内では、寿屋(現サントリー)が国産ウイスキーをはじめて販売開始し、大阪梅田に阪急百貨店がオープン、日本航空によって定期旅客飛行がスタートするなど、現在の私たちにも通じる出来事が多く起きた時代。
世界でもアメリカ映画最大のフェスティバルであるアカデミー賞の第1回の授与式が行われ、ツェッペリン号が22日間の世界一周飛行を成功させるなど華々しい出来事が多く発生した。
しかしながらこの年の10月、ニューヨークの株式市場で大暴落が発生、一転して世界は冬の時代へと進んでいくことなる。
そんな激動の時代に三重県松阪市に生まれた中華そば、焼きそばの専門店は、幾多の困難をくぐりぬけ、今なお三重県松阪市の人々に愛され続けるソウルフードの1つなのだ。
・最高の食感が織りなす、至高の焼きそば、それが「不二屋(ふじや)」の焼きそば
こちらのお店、中華そばと焼きそばの両方のメニューがあり、どちらも甲乙付け難いのだが、今回はサクサクの食感と和風の餡のおりなすハーモニーがたまらない、不二屋(ふじや)の焼きそばをご紹介したい。
まずこちらのお店、通常の焼きそばと具だくさんの五目焼きそばとがあるのだが、もし嫌いでないのであれば、五目焼きそばをチョイスして、さらに生卵をトッピングしてもらいたい。
届けられる焼きそばは、生卵と別になっているため、まずはそのままの焼きそばの味わいを試してもらいたい。
ただし、非常に餡が熱いうえに、固めの餡となっているため、口の中の火傷には十分に気をつけてもらいたい。
サクサクの食感に、優しい旨味たっぷりの和風ダシの餡はベストマッチであり、野菜の甘みや食感さえも十分に引き出されている、優しい味わいであることを痛感する。
そのため、この焼きそばが90年以上も愛されてきたという事実を、味わいからしっかりと感じることができるだろう。
そして次に生卵を載せて味わってもらいたい。
餡が非常に熱いため、卵をといて混ぜると、その瞬間から卵に火が通り始めてしまう。
半熟状態の卵の甘みと優しい和風ダシの餡、そしてサクサク食感の焼きそば、さらにイカ、キクラゲの食感と、様々な味わいと食感が口の中で一気に爆発するこちらのお店の焼きそばは、唯一無二と言ってもいいかもしれない。
もし三重県松阪市を訪れることがあるのであれば、松阪牛だけではなく、地元の人々が愛するソウルフードの1つも、味わってみてはいかがだろうか?
きっとそこには世界に羽ばたいていった松阪商人にも通じる、骨太な味わいがあるに違いないのだ。
またこちらのお店では通販でも美味しい焼きそばを取り寄せることが可能なため、コロナ時代でも美味しい味わいを手軽にご自宅で楽しめるので、是非味わってみてはいかがだろうか。
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お店 不二屋(ふじや)
住所 三重県松阪市中町1900
営業時間 11:00~14:30 16:00~19:00
定休日 木曜日
お店の公式ホームページ https://www.e-228.com/