「密」を避けてゆっくりと時間を過ごすことができる舞子公園は、いま兵庫県でも注目されている野外スポットの一つです。世界最長の吊り橋と海峡の美しいコラボレーションを芝生の公園から眺めることができる、兵庫県立舞子公園の魅力をご紹介しましょう。

本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋の本州側の袂にある舞子公園は、古くは舞子浜という名で親しまれてきました。陸路や海峡を行き来する人たちにこよなく愛され、明治時代には明治天皇がなんと7回も訪れるほどでした。

現在の舞子公園は明治33年(1900年)に初の兵庫県立都市公園として開園され、季節問わず多くの人が公園から見える美しい景色を求めて訪れています。

公園には「明治天皇の歌碑」があります。1885年以降、明治天皇は7回にわたって行幸されましたが、歌碑に刻まれているのは最初の時の様子です。

「明治天皇の歌碑」は、緑豊かな芝生や松林の近くにありますが、そこには淡い緑が美しい八角形の中国式楼閣「孫文記念館」があります。舞子公園のシンボルともいえるこの建物は、1915年に建てられた日本最古のコンクリートブロック像建築物で、2001年に国の重要文化財に指定されました。

かつてここを訪れた、辛亥革命の父と敬愛される孫文に関する資料が展示されていますが、どこかノスタルジックな面影を漂わせるこの建物は、元々は大正4年に神戸の貿易商・呉錦堂が建てた別荘でした。

「孫文記念館」のすぐ隣には、大人の身長をはるかに超える大きな石でできた輪があります。これは「夢レンズ」と呼び親しまれており、約半世紀かけて明石海峡大橋を完成させた原田忠次郎博士の偉業を称えて造られた記念碑です。よく見てみると、異なる岩肌が三種組み合わさっていることに気づくでしょう。これはそれぞれ「人、自然、科学」そして明石海峡大橋が結んだ「本州、淡路島、四国」を表現しているのです。

記念碑や歴史ある建物はもちろんですが、舞子公園の最大の魅力は、明治天皇が愛したことからも明らかなように、やはりそこから見える絶景でしょう。朝方や日中は晴れていれば対岸の淡路島を一望することができ、悠々と海峡を行き交う船や橋の上を渡っていく飛行機を眺め、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

一段と景色が美しく染まるのは、やはり夕暮れ時です。西の方角の海に刻々と沈んでいく太陽は、天気が良ければその形まではっきりと見ることができます。日の入り前には鮮やかなオレンジ色に、日の入り後には静寂の青に包まれる現像的な景色を、明石海峡大橋の袂から心行くまで眺めることができます。

兵庫県内からはもちろん、四国や淡路島、大阪からも簡単にアクセスできる舞子公園で、日頃なかなか耳にすることがない優しい海の波の音を聞きながら、日本の歴史に触れたり、公園でゆっくり時間を過ごしたり、夕陽を眺めてみてはいかがでしょうか。

兵庫県立舞子公園 
所在地 兵庫県垂水区東舞子町2051番
電話 078-785-5090