個人や機関投資家向けに仮想通貨取引サービスを提供しており、シンガポールに拠点を置くAmber Groupは22日、資金調達ラウンドで2億ドルを調達したと発表した。今回の資金調達を受け、同社の評価額は30億ドルに達した。

シンガポールの政府系ファンドであるTemasekが今回の資金調達を主導し、既存の投資家であるSequoia China、Tiger Global Management、暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbaseのベンチャーキャピタル部門、およびPantera Capitalが参加したという。

同社は今回調達した資金を、欧州と米国の機関投資家向けビジネスをサポートするための雇用を促進するために充てる。また、暗号資産の利回りを提供する消費者向けアプリ「WhaleFin」とクリエイター向け部門「OpenVerse」などをグローバルに拡大する計画もあるようだ。

同社CEOのMichael Wu氏は、「Amberは、早ければ2023年後半に米国で実施される可能性のある新規株式公開に向けて、今年後半にも資金調達を行う可能性がある。」と述べた。

2017年に設立されたAmber Groupは、機関投資家と消費者の両方の顧客に対して幅広い商品を提供している。流動性やマーケットメイキングサービスの提供に加えて、アドバイザリーサービスなども提供している。同社は1000社以上の機関投資家を顧客に持ち、設立以来累積取引量は1兆ドルを超え、運用資産額は50億ドル超に及んでいるという。

Amber Groupは日本市場への進出も果たしている。Amber Groupの日本法人である WhaleFin Holdings Japan株式会社が2月1日に、国内で暗号資産事業を手掛けるディーカレットの買収を発表している。国内規制に準拠した暗号資産交換業の運営と並行し、機関投資家向けの暗号資産担保ローンなどの提供、一般投資家向けには国内新規暗号資産のリスティングや暗号資産レンディングサービスの提供など、既存の枠組みを超えた新たなサービス展開も検討していくようだ。