中国で生まれ独自の進化を遂げた、日本の餃子。
中国ではおおよその餃子は水餃子と呼ばれる、沸騰したお湯の中をくぐらせて味わう餃子がほとんどだが、日本では、主にパリッとした皮とその皮に包まれた美味しい餡とのハーモニーが嬉しい焼き餃子が広まっている。
中国からもたらされたおいしい餃子は、宇都宮餃子や浜松餃子、そして博多餃子など、日本各地でそれぞれ独自の進化を遂げているのだ。
例えば、北海道が誇る知られざるローカルチェーン「みよしの」の餃子 に、青森市民のソウルフードとして親しまれているニンニクとニラがたっぷりの「王味(わんみ)」の餃子 、岩手県盛岡市の老舗中華店「白乾児 (パイカル)」 で味わうジューシーな餃子 がある。
他にも、石川県小松市で味わえる「珍龍(ちんりゅう)」 の餃子、 三重県が誇る四日市市と桑名市のソウルフードとも呼ばれている「新味覚」の餃子に、水餃子の名店、京成立石「蘭州」で味わう絶品の焼きニラ餃子、1日に5000個も売れる博多っ子のソウルフード「旭軒」の博多餃子などなど、日本国内の美味しい餃子店をすべて挙げることも難しい。
そんな全国各地にある数々の餃子店の中から、今回は愛知県名古屋市が誇るひとくち餃子をご紹介したい。
お店の名前は「唐や(からや)」だ。
・1990年(平成2年)創業の名古屋の繁華街「栄」が誇る餃子専門店、それが「唐や(からや)」
こちらのお店は1990年(平成2年)に創業した、東海地方随一の繁華街名古屋「栄」が誇る餃子専門店。
1990年(平成2年)といえば、バブル経済崩壊で株が暴落となるが、イケイケ・ファッションが人気となり、まだまだバブル景気の余韻と熱気が残っている時代。その時代から、こちらのお店は当時では珍しくニンニクを使わない、軽やかな食感の餃子を提供し、今なお多くの人々を魅了している餃子専門店なのだ。
名古屋の飲兵衛なら、飲んだ後に「唐や(からや)」の餃子でしめる、そんな流儀すら当たり前のことかもしれない。
・パリパリの食感で何個でも入ってしまう、ヤミツキ餃子
餃子が届いたら、まずはそのままで味わってみてほしい。
パリッとした餃子の食感に絶妙な加減の餡。
餡は白菜、ニラそして豚肉で、野菜の量と豚肉の割合が絶妙なため、非常にあっさりとしており、餃子の皮との食感とも相まって、無限に食べてしまうほどのおいしさなのだ。
十分にそのままの餃子の味わいを楽しんだのなら、卓上の調味料で思うがままに味わってみてもらいたい。
そうすればそのうまさに、あっというまに1人前を完食してしまい、ついついもう一皿、オーダーしてしまう、そんな魔力を秘めたひとくち餃子だということに気がつく。
30年以上、名古屋の栄で飲兵衛たちに愛されてきた、あっさりしたひとくち餃子。
もし名古屋に行く機会があれば、数多ある名古屋名物を少し控えて、こちらのお店でしか味わえない、ひとくち餃子を味わってみてはいかがだろうか?
お店 ぎょうざ専門店唐や 錦店
住所 愛知県名古屋市中区錦3-12-5
営業時間 18:00~2:00
定休日 日曜日・祝日