近年、視聴者が自宅のテレビをリアルタイム視聴する時間は、減少の一途をたどっている。一方で、動画の視聴スタイルの多様化が進み、「好きな時間に、好きな場所で、手近なデバイスで、好みのコンテンツを選ぶ」という視聴スタイルが広がりつつある。

背景には、動画配信サービスや、動画共有コンテンツの拡大がある。

特に、若年層については、テレビやレコーダーを自宅に置かずに、スマートフォンやタブレットを活用して、動画視聴をする割合が増えているという。

このような背景から「テレビ離れ」という言葉も生まれているが、テレビ発のコンテンツは、今もなお強い影響力を持つ。テレビ番組の見逃し配信サービス『Tver』の利用者数は、5年間で3倍に伸長し、動画配信サービスでは、地上波で放送されたドラマやアニメがランキングの上位を占めている。

テレビ番組は、以前と異なる形で生活に根差し、結果的に以前にはなかったニーズを生みだして
いるようだ。

「テレビを持つ予定はないが、必要に応じてテレビをリアルタイム視聴したい」
「忙しくて普段テレビを視聴しないが、通勤電車の中で録画したテレビ番組を見たい」
「レコーダーを持っていないが、後追い視聴不可のテレビ番組を録画したい」

新たなライフスタイルの裏には、こうしたニーズが見込まれる。
長年、テレビやレコーダーの生産を通じて、ユーザーのライフスタイルを定点観測してきたパナソニック株式会社は、新たなニーズに着目。同社が11月下旬に発売を控えているのが、ネットワークレコーダーの『miyotto』だ。

横5.5cm×縦14.7cm×奥行21.45cmのコンパクトなmiyotto本体を室内のアンテナにつなぐだけで、スマートテレビ、スマートフォン、タブレット、パソコン、プロジェクターなど、各デバイスとのワイヤレス接続が可能になる。簡単な初期設定を済ませれば、各デバイスで、リアルタイム番組視聴、録画番組の視聴ができるように。専用のアプリを用いることで、遠隔からテレビ番組や録画番組の視聴も可能になる。操作は簡単で、年代を選ばない。

パナソニックの広報担当者によれば、社内では、首都圏住まいの若手社員たちのmiyotto
に対する反応がすこぶるよかったという。多忙な世代のライフスタイルにフィットするほか、室内で過ごす時間が多くなったシニア層の家族同士のチャンネル権争いの解決にもつながるかもしれない。miyottoの想定価格は、税込5万5000円前後。発売予定日は11月30日の予定。