ポーランド北部、バルト海に面した港町グダンスク。
古都クラクフトと並び称されるポーランドで最も美しい町のひとつであると同時に、バルト海における琥珀産業の中心地として名高く、町には琥珀のショップがひしめき合います。
琥珀というとクラシカルで年配向きというイメージがあるかもしれませんが、グダンスクでは若い世代にぴったりの琥珀製品も豊富。
琥珀デビューにもぴったりのグダンスクで、お気に入りの琥珀製品を見つけてはいかがでしょうか。
・そもそも「琥珀」とは?
知っているようで意外と詳しくはわからないという人も多いであろう、琥珀。
琥珀とは天然樹脂の化石で、サンゴや真珠同様、有機物由来の宝石です。鉱物に匹敵する硬さを持ちながらも、鉱物ではありません。
最低でも数千万年経った木の樹液が固まったものを「琥珀」といい、最も古い琥珀はなんと3億年以上前。途方もない長い歳月にわたる自然の営みが生み出した神秘が琥珀だといえるでしょう。
ヨーロッパでは古くから装飾品として珍重されてきた歴史があり、宝飾品としての琥珀の歴史は、11000年前にさかのぼります。
最も一般的な色は黄色やオレンジですが、実は300以上もの色のバリエーションが存在し、気温や植物の成分などの条件により、鮮やかな赤や緑、青っぽい色をした琥珀もみられます。
おもな産地はかつてのプロイセンにあたる地域で、ポーランドのグダンスク沿岸と、ロシアのカリーニングラード州だけで、世界の琥珀産出量の85パーセントを産出しています。
ポーランドは琥珀の生産量世界一を誇り、なかでも世界の琥珀産業の約80パーセントがグダンスクに集中。グダンスクは、ポーランドのみならず世界の琥珀産業の中心地なのです。
・グダンスクの琥珀の魅力
グダンスクで琥珀を買うメリットは、なんといっても産地に近いだけあって値段が手ごろなこと。ポーランドの物価自体がまだまだ安いこともあって、日本で買うよりもずっと安く手に入ります。
加えて、豊富なバリエーションも魅力。「琥珀製品」と聞いて真っ先に思い浮かぶであろうアクセサリー類はもちろんのこと、琥珀の置物や、琥珀を使ったスプーンに小物入れ、鏡などの雑貨も揃います。
当然、アクセサリーのバリエーションも実に豊富で、琥珀アクセサリーのクラシカルなイメージを覆すような、モダンでスタイリッシュなものも。あらゆる値段やテイスト、デザインの琥珀製品があるので、年齢や性別、好みに合わせて最適なものを見つけることができますよ。
・琥珀の値段の決まり方
琥珀の値段は、基本的に大きさ(重さ)によって決まります。ただし、重ければ重いほど値段が上がるかといえばそう単純なものではなく、琥珀の値段には仕上がりの形も関係してきます。
平面的なものよりも立体的なもののほうが値段が高く、さらには不揃いな形よりも均一に整えられた、より球体に近い形をしているものほど価値が高くなります。
また、クリーム色や乳白色のものなど、白の絵の具を加えたような色合いのものや、鮮やかな赤色をしたものはより希少価値があるため、一般的な黄色や茶色のものに比べると値段が高くなる傾向にあります。同様に、虫や植物が入っているものも希少価値ゆえ、高い値段が付けられます。
高級琥珀の条件は、大きさと形(カットの難易度や完成度)。それに希少価値が加われば、値段はさらに上がります。
加えて、ジュエリーをはじめとする琥珀製品の多くは、金属やほかの貴石などと組み合わせてできているため、琥珀以外に使用されている素材の質や、加工の細やかさなどによっても値段が変わってきます。
・琥珀製品の選び方
「琥珀」と称して売られているもののなかには、残念ながら偽物もあります。見た目だけで本物の琥珀どうかを見分けるのは困難なので、本物の琥珀を手に入れたいなら、露店やさまざまな土産物屋が一緒くたに売られているような店で買うのは避けたほうが無難。
より信頼できるのは、琥珀製品の専門店やジュエリーの専門店です。グダンスク旧市街のマリアツカ通り並ぶ店の多くは、琥珀やジュエリーの専門店で、質の高い琥珀製品を安心して買い求めることができます。
価格は店や商品によって差万別で、日本円にして1000円~十万円以上と幅がありますが、前述の通り琥珀製品の値段はさまざまな要素に左右されるので、単純に「いくらならお買い得で、いくらなら高すぎる」とはいえません。
納得できる一品に出会うためには、とにかくたくさんのお店のさまざまな商品を見比べてみるのがおすすめ。色々と見比べることで、「このデザインでこの値段なら手ごろ」だなどと自分で判断できるようになるでしょう。
マリアツカ通りのお店はどこも通りにショーケースを出して代表的な商品を並べているので、気軽にさまざまなお店の琥珀製品を比較することができます。
・オリジナルデザインが豊富な「GIELO」
グダンスクのジュエリーショップを見比べて筆者が個人的に気に入ったお店が、マリアツカ通りにある「GIELO」。
このお店の売りは、なんといっても豊富なオリジナルデザインです。
グダンスクを歩いていると、「いくつものお店で同じような商品があるな」と感じますが、GIELOはデザインにオリジナリティをもたせることにこだわっていて、動物や妖精をあしらったネックレスやピアスなど、ほかのお店ではお目にかかれないような品物に出会えます。
シルバーをメインにして琥珀をポイントとして使った安価なものから、大粒の琥珀を使った高級感あふれるものまで、デザインや価格もさまざま。若い女性から年配の女性まで、幅広い年齢層に似合うアクセサリーが揃っています。
こちらで買い物をすると、購入した琥珀が本物であるという証明書を付けてくれるので、自分へのご褒美としてだけでなく、大切な方へのギフトにもいいですね。
「琥珀ってこんなにバリエーションが豊富なんだ!」と驚いてしまうほど多彩な琥珀製品が集結するグダンスク。
もともと琥珀が好きな人もそうでない人も、ポーランド旅行を機に新たな琥珀の魅力にふれてみてはいかがでしょうか。
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