どこか大阪のような活気を感じる、韓国第2の都市・釜山。港町だけに新鮮な海の幸を使った名物料理がたくさんありますが、ほかにも見逃せないB級グルメがあります。
そのひとつが、プサンの繁華街・南浦洞(ナンポドン)に店を構える「シンチャントースト(新昌トースト)」。プサン通のあいだでは有名なお店ですが、知らなければ「プサンでなぜトースト?」と思うのも無理はありません。
韓国で「トースト」といえば、ホットサンドのこと。バターをひいた熱い鉄板の上で食パンを引き、卵焼きやハムなどの具材をはさんでいただきます。韓国ではこれが屋台の朝食メニューの定番で、シンチャントーストも路上屋台からスタートしたお店。
いまではトーストの専門店も珍しくありませんが、40年以上の歴史を誇るシンチャントーストは、釜山におけるトースト専門店の先駆けなのです。
無数の小さなお店がひしめき合う国際市場は、古くからの港町・釜山を象徴するような場所。周囲のお店がまだ開店を迎えていないなか、朝から人だかりができているお店がシンチャントーストです。
店の前の鉄板では、ご主人が見事な手さばきで次々とトーストを焼き上げていきます。見ているだけで気持ちいい、パフォーマンスの要素があるのも、このお店の人気の理由なのでしょう。
シンチャントーストの歴史は、40年以上前、軍隊を除隊したご主人が、ベトナムから戻ってきた友人にトーストの存在を聞かされたことにはじまります。興味を持ったご主人が南浦洞でごくシンプルなトーストを食べ、そのおいしさに衝撃を受けたことから、トースト専門店を創業。
もともとは屋台での営業でしたが、25年以上前にイートインスペースを増設。焼きたてのトーストが店内で楽しめるようになりました。
お店自慢のトーストはチーズ、ジャムなど数種類ありますが、一番のおすすめが「スペシャルトースト」(3500ウォン)。
キャベツと玉ねぎが入ったオムレツにチーズ、厚切りハムが入ったトーストで、ふわふわのオムレツと、とろけるチーズ、適度に塩気のあるハムのコンビネーションは最高!ケチャップとマヨネーズというシンプルな味つけだからこそ、それぞれの素材の味が引き立ちます。
40年以上トーストを焼き続けてきたからなのか、塩気があるのにどこか甘く優しい味のするトーストは、毎日でも食べたくなるほど。ぜひ、旬の果物を使ったフレッシュフルーツジュースといっしょにいただきましょう。
日本人のお客さんが増えてきたことから、「日本人のお客さんに感謝の気持ちを伝えるために日本語を勉強した」というご主人。そんなあたたかい人柄も、シンチャントーストが長年にわたって支持を集める理由のひとつなのでしょう。
釜山を訪れたら、朝早くにホテルを抜け出して、路地裏のトースト屋さんで一日のスタートを切ってみませんか。
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名前 シンチャントースト(新昌トースト)
住所 釜山広域市 中区 新昌洞2街 29-3
電話 051-245-1724