ドイツの空の玄関口、フランクフルト。フランクフルトの日帰り圏には、多種多様な観光スポットがあることをご存じでしょうか。
そのひとつが、メルヘン街道の町シュタイナウ。「メルヘン街道」は、南はハーナウから、北はブレーメンまで、グリム兄弟やグリム童話ゆかりの町を結ぶ観光街道。シュタイナウは、グリム兄弟が少年時代を過ごした町として知られています。
シュタイナウへのアクセスは、フランクフルトから鉄道でおよそ55分。シュタイナウ駅から20分ほど歩くと、町の中心へと到着します。
シュタイナウのシンボル的存在が、現在は博物館として公開されている「グリム兄弟の家」。グリム一家は、1791年にハーナウからシュタイナウへと引っ越し、一家は当時シュタイナウの領地管理主務官の官舎だったこの建物に住むことになりました。
この「グリム兄弟の家」は、グリム一家が住んだ建物としては唯一、完全に保存されている住居であり、大変貴重なもの。
残念ながら展示室内は写真撮影禁止ですが、館内の2フロアには、シュタイナウに暮らしていたころの一家の様子や、グリム兄弟の胸像や銅版画、グリム童話をテーマにした展示があり、日本を含め、世界で発売されたグリム童話の書籍も紹介されています。
町の中心は、市庁舎とカタリーナ教会が建つマルクト広場。
広場にはヤーコプ・グリムの生誕200年を記念して造られた「昔話の噴水」があり、グリム童話の主人公たちが彫られた柱やブロンズ像などで彩られています。事前にグリム童話を読んで、どれが何を表しているのかわかれば、さらに楽しめそうですね。
町のメインストリートは、その名も「グリム兄弟通り」。シュタイナウは、「ドイツ木組みの家街道」にも属しているだけあって、通りには色とりどりの木組みの家々が並びます。
「ドイツの木組みの家」というと、ビビッドな色合いの建物を思い浮かべるかもしれませんが、シュタイナウの木組み建築は、むしろ淡い色合いやシックな色合いのものが多く、ほっとさせられます。
なかには、グリム童話の場面で飾られたキュートな建物も。
グリム兄弟通りで見つけた可愛いカフェが、「Literaturcafé Alte Apotheke」。
かつての古い薬局を改装したカフェで、レトロな店内は、ゆったりとした間隔で客席が配置されたくつろぎ空間。自家製のケーキとともに、ノスタルジックなひとときが過ごせます。
グリム兄弟の家と並ぶシュタイナウの観光スポットが、ハーナウ伯爵の夏の離宮だった「シュタイナウ城」。16世紀初頭から半ばにかけて建設されたもので、小さな町にしては驚くほど立派なお城です。
シュタイナウはほとんど戦災に遭っていないため、シュタイナウ城も三十年戦争で一部破壊された以外は、戦火を免れています。
内部は一部博物館として公開されており、城の歴史を紹介する展示室があるほか、2015年にはグリム記念室もオープン。グリム一家が使っていた品々や肖像画、家系に関する資料のほか、奥にはグリム童話の世界観を意識したコーナーがあり、写真撮影も楽しめます。
本を模した階段や、異世界に迷い込んだような気分にさせてくれる鏡のオブジェなど、童話の世界に浸れる素敵な演出が待っていますよ。
町の外には今も牧草地が広がるシュタイナウは、グリム兄弟が暮らしたころと変わらない、のどかな町。のんびりとした空気に触れれば、グリム童話の原点が見えてくるかもしれません。
タイミングが合えば、市庁舎の向かいにあるマリオネット劇場で不定期に上演されるグリム童話を基にした人形劇を楽しむのもいいでしょう。
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/旅に行きたくなるメディア
名前 Literaturcafé Alte Apotheke
住所 Brüder-Grimm-Straße 27, 36396 Steinau an der Straße
ホームページ http://literaturcafe-steinau.de/
マリオネット劇場での人形劇上演日程
https://www.die-holzkoeppe.de/spielplan/