香ばしい豚肉の香りに、ショウガの味わいと醤油の焦げた味わいに甘みのある妖艶なタレ。
ご飯の上にタレと一緒にのせて、アツアツのご飯と一緒に頬張れば…… そんな料理の味わいを想像するだけで唾液が溢れてくる料理の1つと言えば豚の生姜焼き。
日本各地に存在している定食屋や洋食店、そして喫茶店などでも味わえる生姜焼きには、様々なスタイルの豚の生姜焼きが存在しており、日々多くの人々がその味わいを楽しんでいるのだ。
そんな美味しい生姜焼きの中から、今回は創業1650年の一膳飯屋を起源とする洋食店で味わえる絶品の生姜焼きをご紹介したい。
お店の名前は「タカサゴ」だ。
・創業1650年(慶安3年)、由緒正しい一膳飯屋の歴史を堪能できるお店「タカサゴ」
こちらのお店、なんと創業は1650年(慶安3年)。
1650年(慶安3年)といえば、徳川幕府の礎を築いた徳川家光の晩年。この年、徳川家光は病気となり、諸儀礼を家綱に代行させ、翌年48歳でその生涯を閉じることになるのだが、そんな東京がまだ江戸だった時代。
そんな時代に、高瀬屋七兵衛が創業した一膳飯屋である「高瀬屋」を起源としているこちらのお店は実に約370年もの間、多くの人々を魅了し続けてきた、まさに、江戸東京が誇るいまなお最高の一膳飯屋といっても過言ではない。
・ぜひ味わっておきたい豚の生姜焼き定食、それがタカサゴのジャポネ
こちらのお店には様々なメニューが存在しており、開店と同時に多くのメニューが注文され、午後2時を過ぎてしまうと多くの人気メニューは無くなってしまう。
そんなメニューの中でも、オススメしたいのがポークソティージャポネーズ(通称ジャポネ)だ。
メニューはポークソティージャポネーズ、となっているが、こちらのメニューこそ、豚の生姜焼き定食。
注文を受けてから作られる豚の生姜焼きだが、素晴らしい手際の良さのため、待つことはほとんどない。
テーブルに届けられるやいなや、アツアツの豚の生姜焼きの美味しいかおりがふわっと鼻腔をくすぐる、そうすれば美味しいタカサゴのジャポネタイムのスタートだ。
まずは、そのまま味わってみてもらいたい。
薄切りの豚肉にはうっすらと片栗粉がはたいてあるため、醤油と日本酒をフランベした香ばしさが効いた甘辛い美味しいジャポネソースの味わいをたっぷりと味わうことができる。
また片栗粉によって、豚肉の表面にはツルっとした食感が生まれており、これがまた嬉しい食感を演出してくれているのだ。
もちろん、ご飯との相性は言うまでもない。
大きな炊飯器で炊かれた美味しいご飯と、片栗粉で化粧していることによってたっぷりとジャポネソースをまとったツヤツヤの生姜焼きは、まさに日本人に生まれてよかった、と幸せを感じられる味わい。
付け合わせのナポリタンもしっかりと味わい深く、時代の大きな変化にしっかりと対応してきているからこそ、こちらのお店が江戸時代から愛され続けてきているのだと、時間の流れもかみしめることができる。
・赤、緑、黄色。信号機の色の漬物、それがタカサゴの流儀
カレーや定食が美味しいのは言わずもがなだが、1点さらに特筆したいことがある。
それが、こちらのお店で提供されている赤色、緑色、黄色の3種類の漬物だ。
赤色は福神漬け、緑色はきゅうりと生姜を青じその実と漬けたさっぱりとした味わいの青しその実、黄色は壺漬けのたくあんで、これがまたご飯との相性抜群なのだ。
おかず無しでご飯を堪能できるというのもこちらのお店の素晴らしいポイントの1つと言えよう。
もし、神保町、大手町界隈を訪れることがあるのであれば、創業から約370年もの長きにわたって、庶民の胃袋を満たし続けてきているお店で、いつもと変わらない「おいしさ」を堪能してみてはいかがだろうか?
江戸から明治、大正、昭和、平成、そして令和と、いつもと変わらない「おいしさ」を継続することは、言葉では簡単であっても、実行することはほぼ不可能に近いのだ。
そんな不可能に近い歴史を積み上げてきたお店で働く方々に感謝し、いつもと変わらない「おいしさ」を継続することの大切さを知る。そんな味わい深い食の旅を堪能してみる日が、たまにあってもいいのかもしれない。
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お店 カレーの店 タカサゴ
住所 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル B1F
営業時間 月曜日~金曜日 11:00~20:25 / 土曜日 11:00~14:00
定休日 日曜・祝日および土曜日(月2回、土曜日は定休日となります)
お店のウェブサイト http://www.mai-b.co.jp/restrant/b1/post-10.html