世界的にも有名な企業の数々が本社を構える、南西ドイツの工業都市シュトゥットガルト。駅の塔にはメルセデスベンツのロゴが誇らしげに掲げられ、中心部を貫く目抜き通りはいつも沢山の人で賑わっています。
そんなシュトゥットガルト市民にとっての憩いの場であるのが、町の北外れにあるキレスベルク公園。なだらかな丘の上に小さな動物園やバラ園、ミニ機関車などがある緑豊かな公園です。
キレスベルク公園を象徴するのが、丘の一番高い場所になっている展望台。2001年に完成した塔は、2重らせん状の不思議でどこか近未来的な雰囲気を醸し出しています。一時は資金難により建設がとん挫するものの、市民らによる多額の寄付により完成までこぎ着けたという歴史も。
高さ40メートルの塔は4階層に分かれていて、上へいくほど見える景色もダイナミックなものへと変わっていきます。一番下の階からよくみえるのは、園内に造られた美しい花壇。花で描かれた模様が、遠目からだとくっきり浮かび上がっているのが見えます。
この花壇では春になるとチューリップや忘れな草、夏にはダリアなど、季節の花が咲き乱れます。間近で見る花の模様は、展望台の上から見るのとはまた違う迫力がありますね。
さらに上って一番上までたどり着けば、そこからは公園のむこうにシュトゥットガルト市街地が一望できます。絶景が楽しめるのは確かですが、展望台は手すり部分が網状になっていて下がよく見えるので、高所恐怖症の方には向いていないかもしれません。また上層階は風がつよいので、ショールなど飛ばされないよう注意が必要です。
恐いもの見たさで真下をのぞいたなら、足がすくんでしまうかもしれません。
展望台から絶景を楽しんだ後は、麓にあるバラ園を散策するのもおすすめ。初夏から秋にかけて種類の異なる色とりどりのバラが満開になり、ここが工業都市であることが信じられないほどのロマンチックな雰囲気に包まれます。隣り合う芝生の上では横になって寛いでいる人々や会話を楽しんでいるグループの姿も多く、まさに市民の憩いの場です。
小高い丘の上から絶景が楽しめるキレスベルク公園の展望台。不思議たかたちをした塔の上から望むシュトゥットガルトの街並みや、季節ごとに姿を変える美しい花壇を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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