南ドイツの風光明媚な町ハイデルベルク。ドイツの玄関口であるフランクフルトをはじめとする周辺都市からのアクセスも良く、町はいつも沢山の観光客でにぎわいを見せています。

南ドイツ観光の定番としてのほか、ハイデルベルクは古くからある学生都市としての顔も見せます。それもそのはず、この町にあるハイデルベルク大学(正式名称:ルプレヒト・カール大学ハイデルベルク)は、1386年にプファルツ選帝侯ループレヒト1世によって創立されたドイツ最古の大学なのです。

町には「学生牢」や旧講堂「アルテ・アウラ」といった学生都市ならではの見どころもあり、ハイデルベルクの学生が辿ってきた歴史をすこしだけですが垣間見ることができます。

そんな学生の町らしい建物とも言えるのが、この町の学生が普段から利用している図書館。ひとことに図書館と言っても蔵書数はなんと320万冊以上をほこり、7000冊あまりの写本ほか歴史的にも重要な書物を数多く保有しています。

図書館の外観は、お城と間違えてしまうかのような立派さ。大学と同じく14世紀に設立され、20世紀初めに大規模な改修が行われて現在の姿になりました。

さっそく図書館の中に入ってみましょう。階段の吹き抜けを上がっていくと、ユーゲントシュティールの優美な空間が目に飛び込んできます。

ここが図書館ではなく、パリかどこかのエレガントなアーケードに迷い込んだかのようです。

2階まで上がると、壁づたいには本や紙に関する歴史の展示がされています。

奥には蔵書室があるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。運が良ければ、中世に活躍した宮廷詩人の詩を収録した「マネッセ写本」の一部を見ることができるかもしれません。140人の詩を美しい挿絵とともに収録した写本は、歴史的にも大変貴重な資料。筆者が訪れた際はほかの研究機関に貸し出し中とのことで、残念ながらお目にかかることは叶いませんでした。

ハイデルベルク大学に限らず、ドイツの大学の図書館は一般の人でも利用可能。日本の大学の図書館は学生証がなければ入場さえできない場合がほとんどですが、ドイツでは誰でも自由に本の閲覧ができます。

誰でも入れる図書館ですが、見学の際は勉強中の学生の邪魔にならないよう、心がけを忘れないようにしましょう。

歴史ある大学の図書館で、ドイツの大学生気分を味わってみてはいかがでしょうか。

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