インドカレーといっても、その種類は多種多様。地方で味も違えば、地区でも違うし、各食堂でも違う。インドに行けば、それが顕著に理解できるはず。
・ダージリンのカレーとは
ここでどうしても食べたかったのは、北インドとも南インドとも違う、ダージリン独自の調理法で伝えられてきたインドカレー。日本には無数にインドカレーの名店があり、なかでも美味しいのは小川町の「三燈舎」、経堂の「カルパシ」、逗子の「スパイスツリー」などが突出してレベルが高いと言われているし、実際に食べればその美味しさに感動を覚えるが、はたしてダージリンのカレーは新たな感動を与えてくれるのか。
・お菓子屋のお姉さんが作るインドカレー
ダージリンに数日間滞在し、徹底的に飲食店を食べ歩いた。時期的に非常に冷え込み、深い霧が街を包むなど、非常に幻想的ながら厳しい環境のダージリン。心から美味しいと感じるインド料理店を複数発見したが、なかでもずば抜けて美味しかったのが、お菓子屋のお姉さんが作るインドカレーである。
・客は路上でカウンター越しにやりとり
お店は「RAMPRASAD PRADHAN」といい、非常に小さなお菓子屋で、ポテトチップスやガム、飴、ドリンクなどを販売している。お菓子屋としての店内フロアは存在せず、客は路上でカウンター越しにやりとりしてお菓子を購入する。
・隠れインドカレー食堂
しかし、狭いながらも奥に入っていく通路があり、そこに入っておくに行くと、非常に狭い部屋に小さなテーブルがふたつだけ置かれており、テーブルには調味料が置かれている。そう、ここは隠れインドカレー食堂だったのだ。
・食べられるカレーは大きく分けてふたつ
ガイドブックにも載っていないし、インターネット上にもいっさい情報がないため、まさに現地人しか入ってこない。しかもダージリンの住民も知らない人がほとんどらしく、ほぼ近所の人しか来ないという。ここで食べられるカレーは大きく分けてふたつしかない。ベジタブルとノンベジタブルだ。ほかのメニューとしてはうどんがある。
・玉ねぎスライスと唐辛子などは無料
今回はノンベジを注文。大盛りライスに山菜等の炒め野菜が添えられており、チキンカレーとスープがセットになっている。玉ねぎスライスと唐辛子などは無料で食べ放題だ。手で食べるのが普通だが、スプーンとフォークを使っても良い。
・カレーとスープを混ぜてライスに
チキンカレーは時間をかけてじっくりと仕込まれているのがわかるほどホロホロと柔らかく崩れ、スープとともにライスにかけて混ぜて食べると複雑なスパイスがお互いに反応しあい、味覚を楽しませてくれる。そこに玉ねぎを投入すれば、フレッシュなシャリシャリとした食感と爽やかさが生まれて心が躍る。
・まさにダージリンだけの味
このカレーはベンガルカレーの要素を多分に含んでおり、さらにダージリン特有の民族料理の要素も含まれているという点。特に冷たい野菜炒めは弾力があり、食べれば食べるほど旨味が溢れ出し、カレーのスパイスの旨味を盛り上げる。まさにダージリンだけの味だった。
ダージリンのカレーが独自の進化を遂げているように、地方のカレーが違う地方で独自の進化をすることがある。次回は、ニューデリーで食べられるケララ地方のカレーを紹介したい。
もっと詳しく読む: ヒマラヤ山脈の大地・ダージリンのインドカレー / お菓子屋のお姉さん手作りカレー(東京メインディッシュ) http://main-dish.com/2019/10/31/india-darjeeling-ramprasad-pradhan-curry/
RAMPRASAD PRADHAN
住所: Chauk Bazaar Darjeeling, West Bengal 734101
時間: 10:00~19:00
休日: 日曜日(要確認)