ルクセンブルクとの国境にもほど近いドイツ西部にある町トリーア。2000年以上の歴史を誇るドイツ最古の都市として知られ、今でもローマ時代の遺跡や中世建築を代表する大聖堂などが訪れる者に大きな感銘を与えてくれます。

パステルカラーの街並みも可愛らしく、そぞろ歩きをするだけでも楽しめる通りの数々。そんなトリーアの町が1年で最も華やかな空気に包まれるのが、11月後半からはじまるクリスマスマーケットの季節です。

トリーアのクリスマスマーケット会場は、旧市街にある中央広場(Hauptmarkt)と大聖堂前の広場。2つの会場はシュテルン通り(Sternstraße)で繋がっているほか、駅からも徒歩でアクセスできます。

駅前からまっすぐ伸びる通りを歩いていくと、まず目に飛び込んでくるのは真っ黒な門「ポルタ・二グラ」とその前で輝くクリスマスツリー。ポルタ・二グラはローマ時代に建てられた建造物で、当時は城壁で囲まれた町への入り口としての機能を果たしていました。

ポルタ・二グラの正面から伸びる道は、トリーアのメインストリート。ここを進んでいくと、やがて中央広場のマーケットでひときわ大きな存在感を放つ巨大ピラミッドが目に飛び込んできます。

このピラミッドは、クリスマス雑貨を扱うケーテ・ヴォールファートのお店の一部。ピラミッドの下がお店になっていて、ツリーに吊るすオーナメントや木のおもちゃなどが売られています。

広場ではルネサンス様式やバロック様式の建物を背景にお店のイルミネーションが輝き、とてもロマンチック。トリーアは町並み自体が美しいので、そこを会場に開催されるクリスマスマーケットはどこを見ても画になります。

レトロな観覧車は子供たちに大人気。よく見ると屋根部分などに手の込んだ装飾が施され、大人が見ても充分に楽しめるほど。

中央広場からシュテルン通りをぬけて大聖堂前まで行くと、ライトアップされた大聖堂を前にここでも煌めくイルミネーションが訪れる人々の目を楽しませています。

町ごとに雰囲気がだいぶ異なるドイツ各地のクリスマスマーケットですが、トリーアの場合はお店の屋根の装飾が統一されていて、まとまりがあると言えるでしょう。小さなライトがあちこちで輝く様子は、まるでマーケットに星が降ってきているかのよう。美しすぎてため息がでてしまうほどです。

ちょっと特殊な形をしたイガイガの星は「ヘルンフートの星」と呼ばれるもの。東方の三博士にイエスキリストの誕生を知らせた星を象徴しており、家庭でもよく飾られる人気のオーナメントです。トリーアのクリスマスマーケットではこの星がお店の屋根やツリーの上で輝いている様子が印象的でした。

クリスマスマーケットと言えばニュルンベルクやドレスデンが有名とはいえ、トリーアの美しさもこれらの町に劣りません。トリーアは世界遺産やローマ遺跡のイメージが強いですが、クリスマスの時期こそこの町を訪れるべきといえるでしょう。

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トリーアのクリスマスマーケット
開催期間(2019年):11月22日~12月22日