どんな居酒屋にもそのお店に通う人々の思いが重なり、そしてそのたくさんの思いは居酒屋の持つ雰囲気となるのだ。
それゆえ、日本各地に多く人々を虜にする居酒屋がキラ星のごとく存在している。
例えば、あの吉田類も絶賛する大衆酒場、東京・江東区南砂町の「山城屋酒場」に、沖縄・石垣島で旬の魚介と沖縄料理を味あわせてくれる名店「居酒屋 錦(にしき)」、新潟の郷土料理からラーメンや洋食まで味わえる新潟市・古町の老舗居酒屋「喜ぐち(きぐち)」、北海道は小樽の絶品のおでんと日本酒を楽しめるお店「酒処 ふじりん」に、北海道随一の日本酒の品揃えと美味しいツマミのお店札幌市北区「味百仙(あじひゃくせん)」、食い倒れの町大阪では、魅惑の豚足を味わえる「かどや」に、鴨の焼き鳥が味わえる「とり平」、そしてあの開高健も愛したクジラのおでんが楽しめるたこ梅、さらには名古屋にいったら絶対に行っておきたい居酒屋「歓酒亭 大安(かんしゅてい だいやす)」などなど、数え上げればキリがない。
そんな全国にある美味しい居酒屋の中から、今回は、北海道札幌市の歴史とともに歩んできた名酒場をご紹介しよう。
お店の名前は「やき鳥 金富士」だ。
・昭和28年創業の老舗酒場、それが「やき鳥 金富士」
こちらのお店の創業は1953年(昭和28年)。
1953年(昭和28年)と言えば、NHKと日本テレビがテレビ放送をはじめ、初のスーパーマーケット「紀ノ国屋」が東京・青山にオープンした年。
第二次世界大戦から8年、日本全体が徐々に復興に向かって突き進んでいる時代に、こちらのお店は札幌の街に生まれたのだ。
そして今なお、多くの呑兵衛たちに美味しいメニューを提供し続けているのだ。
・白コショウの効いた美味しい焼き鳥
まず驚くのが札幌・ススキノのど真ん中にありながら、激安とも言えるメニューたち。
好みのお酒をオーダーしたら、最高の金富士タイムのスタートだ。
まず味わっておきたいのがこちらの焼き鳥。
白コショウの効いた焼き鳥は非常に香ばしく、そして鶏肉のウマミがたっぷりと感じられる味わい。
さらにシャキシャキと甘いタマネギが鶏肉の間にはさまっており、ネギとは違う趣や味わいを感じられる。
タレの効いたツクネも非常に美味であるため、じっくりと味わいながら、金富士の素晴らしさを噛み締めたい。
そんな美味しい時間をさらにゆっくりと味わうために、熱燗を所望するのもいいかもしれない。
寒いススキノの外の気温と熱燗とのギャップは、ゆっくりと体も心もほぐしてくれる。
・他にも美味しいメニューばかり
他にも美味しいメニューがたくさん存在している。
たとえば常連さんが必ず頼むという、自家製のイカの塩辛に、
特製の卵焼き
北海道の美味しいシシャモに
香ばしく焼き上げられた妖艶な手羽先餃子。
脂の乗った香ばしい身欠きニシンに
シンプルな豆腐。
実はこの豆腐はお酒と一緒にサービスされる特別なもの。これを味わうために熱燗をオーダーする、そんな常連さんも存在しているようだ。
メニューのどれもが非常に味わい深く、札幌の夜をさらに味わい深いものにしてくれる、まさにひとり旅にもってこいの酒場、それが金富士酒場なのだ。
もし北海道・札幌を訪れることがあるのであれば、こちらの居酒屋の暖簾をくぐってみてはいかがだろうか?
きっとそこには、観光客が感じることがなかなかできない、普段通りのいつもの札幌の日常が存在しているに違いないのだ。
そしてそんな普段着の札幌に出会えたのなら、また札幌の味わいを堪能するために帰ってきたくなる、そんな時間を過ごせるに違いないのだ。
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お店 やき鳥 金富士酒場
住所 北海道札幌市中央区南5条西3丁目 NC北専プラザB1F
営業時間 17:00~翌0:30
定休日 日曜・祝日