歴史を感じさせるロマンチックな街並みから、「花の都」と親しまれているフィレンツェ。中心部から少し離れた場所にあるピッティ宮殿の裏手には、広大なボーボリ庭園が広がっています。
少し前には映画「インフェルノ」の舞台にもなり、行ってみたいというファンの方も多いのではないでしょうか。
うっそうとした森や手入れの行き届いた草木、そしてその中に点在する彫刻や噴水。イタリア式庭園の最高傑作とも言われる園内では、次々と変化する風景に魅了されることでしょう。
ボーボリ庭園が造営されたのは1550年。当時この地を治めていたトスカーナ大公の妻エレオノーラ・ディ・トレドの命により、ピッティ宮殿に付属する庭として造られました。
宮殿を抜ければ、そこは約4万5000ヘクタールもある広大な庭の入り口。まずはこの坂を上ってみましょう。
坂をしばらく上ってから振り返ると、ピッティ宮殿の全体像をとらえることができます。さらに進んで噴水のある場所まで来れば、宮殿の背後に広がるフィレンツェの旧市街も見えますよ。
丘の上に立つピンク色の建物は、磁器博物館。ここではメディチ家や彼らと繋がりのあった一族らが所有していた磁器が展示されています。
繊細な絵付けのされた皿やカップ、スタンドが並び、見ているだけでもうっとりするほど。彼らの優雅な暮らしぶりを垣間見ているかのようです。
丘からはトスカーナの田園風景を見渡すこともできます。家々が点在する長閑な風景が広がり、ここがフィレンツェであることを一瞬忘れてしまいそうです。所々にオリーブの木々が生えているのも見えますね。
庭園内のハイライトのひとつが、「ヴィットローネ」と呼ばれる並木道。森のなかを1本のまっすぐな道が貫き、両側にはいくつもの彫刻が並んでいます。
ヴィットローネの先には池があり、その中心に「大洋の噴水」が置かれています。
噴水まで伸びる橋の上にはレモンの鉢が置かれ、なんともイタリアらしいですね。所々に置かれた彫刻がロマンチックな雰囲気を作りながら、カメが日向ぼっこをするなどほのぼのとした空気も流れています。
ボーボリ庭園はどちらかというと木々や芝の緑がメインですが、季節ごとの花が咲き乱れるエリアも点在しています。とはいえ決して花がメインの場所ではないので、バラ園のような花でいっぱいの庭園を想像されている方はご注意を。
庭園内ではとにかく歩くほか、丘陵地で坂道も多いので歩きやすい靴は必須。ふだん運動不足の方は、沢山歩いて次の日に筋肉痛になってしまうかもしれません。
木々や噴水などが織りなす美しい風景が楽しめるボーボリ庭園。イタリア最高傑作と名高い庭園で、のんびり散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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