オスマン朝が初めて首都を置いたのがブルサ。その後1366年にムラト1世が遷都したのが、トルコ西端の街であるエディルネです。エディルネは、1453年にメフメト2世がコンスタンティノープルを征服するまで帝都として栄え、イスタンブールに首都が遷ってからも帝国第二の都市として栄えました。
エディルネには世界遺産のセリミエ・モスクをはじめ、エディルネに現存する最古のモスクであるエスキ・ジャーミィ、ミナレットの形が4本とも異なるユチュ・シェレフェリ・モスク、時の宰相の命によって建てられたキャラバンサライ(隊商宿)や公衆浴場ハマム、市場、モスクの複合施設を利用した博物館など、様々な見どころがあり、旅行者にも人気がある街のひとつとして現在も活気に満ちています。
そんなエディルネを訪れたら絶対に食べたいグルメが、タヴァ・ジエルです。
トルコ語で、タヴァは揚げ物、ジエルはレバーを意味します。レバーの唐揚げはエディルネの名物料理であり、歴史地区の街中では何軒ものタヴァ・ジエル屋さんが競うように営業しています。
そんな中でも特に訪れておきたいのは「アイドゥン・タヴァ・ジエル」という名店です。開店すると徐々に客が入り始め、お昼時にはすぐに満席になって外にまで行列ができるほどの人気店です。
店頭にある大きなフライヤーでジュンジュンと音を立てながらレバーがどんどん揚げられて、次々とお皿に盛られていきます。
一人前を注文すると、お皿にてんこ盛りにされたタヴァ・ジエルが運ばれてきます。見た目はすごくヘビーですが、ひとつひとつが薄切りで衣も薄付きなので、食べてみると意外にもいくらでも食べれてしまうという不思議な料理で、揚げたてのサクッサクッという食感がやみつきになってしまいます。
レバーなのに独特の臭みもなく、ホルモン系の料理が苦手な人でも挑戦しやすそうな料理です。レバー自体には味付けがされていないので、ピリ辛のソースをつけて食べたり、さっぱりしたトマトやオニオンと一緒に食べると、異なる味を楽しむことができます。
そして、こういった肉系の料理をトルコで食べるときに欠かせないのがアイランという飲み物。ヨーグルト飲料ですが、塩分が入っているのが特徴で甘ったるくありません。さらさらとした飲み心地は、思ってのほかに肉料理や揚げ物とよく合います。これを機会に、トルコらしい食べ物と飲み物の組み合わせに挑戦してみるのもいいかもしれません。
タヴァ・ジエルは、エディルネの広大な自然の中で育つ子羊や子牛の新鮮なレバーを使う、エディルネの地理を活かした名物料理です。世界遺産やオスマン帝国の古都の散策がてら、ぜひサクサクのレバーの唐揚げに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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名前 アイドゥン・タヴァ・ジエル(Aydın Tava Ciğer)
所在地 Sabuni, Tahmis Çarşısı Sk. No:8, 22000 Edirne Merkez/Edirne