ジビエは数年前からブームに火がつき、数多くのジビエ料理が飲食店で出されるようになりました。首都圏にはジビエ専門店が数多くオープンし、美味しいお店には常連がつき、ブームではなくジビエという食文化の定番化に寄与しています。

・ドラクエでも有名になりつつある岡山県
岡山県といえば、何をイメージするでしょうか。桃太郎? 桃太郎ランド? きび団子? ら・む~マート? 高菜サラダロール? 高梁市のスターバックスがある図書館はスタイリッシュで有名ですし、最近の岡山県各地は「ドラゴンクエストウォーク」のお土産ポイントとしても知られていますね。








ほかにも岡山県にはグルメや観光スポットが多数ありますし、イメージが「うじよう亭」のウナギなんて人もいるかもしれませんが、実はジビエが美味しい地域でもあります。

・岡山県農林水産部の「おかやまジビエガイド」
ジビエが美味しい地域ということは、ジビエとなる猪や鹿が獲れることも意味します。岡山県農林水産部は「おかやまジビエガイド」を発行し、おかやまジビエのブランドを広めるべく、ジビエが食べられる飲食店を紹介。さらに岡山県内のジビエ関連企業を助成しています。

・天然猪肉販売会社も存在する
そんなジビエを取り扱っている天然猪肉販売会社「おかやまジビエみなみ」(有限会社ミナミ)が岡山県新見市にあるのですが、通年、安定して上質なジビエを全国に販売できるよう取り組みを進めているとのこと。emotional tribe(東京都)が、ミナミと1日限りの美食イベント「Emotional Table」を企画しており、実際に食べてみました。



・「臭み」ではなく「ジビエならではの旨味」
おかやまジビエを使用した猪焼売が食べられるのは、中華レストランの「O2」(東京都江東区三好2-15-12)で、2020年3月1~31日の期間に食べられるとのこと。販売開始前に食べることができたのですが、ジビエとしてのワイルドな薫りを放ちつつも、それを「臭み」ではなく「ジビエならではの旨味」として感じさせてくれました。

・グラデーションを描くように濃厚なジビエエキス
また、おかやまジビエを使用した創作料理として猪ホホ肉の煮込みを作っていただいたのですが、これが言葉を失うほどのファビュラスマックスな「極上の柔らかさ」と「魅惑の旨味」を堪能させてくれます。ジビエが限りなく柔らかく、食べればホロホロと崩壊していくため、猛烈なスピードながらグラデーションを描くように濃厚なジビエエキスを放つのです。


・ブランドや捕獲地なども重要視すべき?
ダントツで草もが少なく美味しさが濃いのは、捕獲から仕上げまでの処理速度が驚くほど早いからとのこと。さらに岡山県には猪のエサとなる食材が潤沢にあるのも、ジビエが美味しい理由のひとつのようです。

よくよく考えてみれば、ジビエを飲食店で食べる際、ジビエの美味しさや捕獲量まで考えた事がありませんでした。「この猪や鹿は何を食べていたのかな?」なんて思いもしません(笑)。猪などのエサについて、猟師専門雑誌「けもの道」の佐茂規彦編集長に聞いてみました。

・けもの道編集長のコメント
「肉の味を決める要因はいくつかありますが、食べているエサは大きく関係していると思います。ドングリや椎の実を豊富に食べている猪の肉や脂は甘みも旨味も強いですね。鹿は草木が大きく育つ初夏のころにエサが豊富で脂が乗ります」


・エサは重要ポイント
なんとなくジビエというキーワードだけで漠然と食べていたジビエ料理ですが、これからはブランドや捕獲地なども重要視したほうがよいかもしれません。特に何を食べて育ったのか、エサは重要である事がわかります。

・ジビエの猪専用包丁まで存在
少なくとも、今回食べたものは岡山県が本腰を入れてジビエを推していることがわかるクオリティの美味しさでした。ちなみに、ジビエを美味しく調理するために株式会社迫田刃物の「猪専用包丁」を使用したと聞き、実際に包丁を見せてもらいましたが、まさかジビエの猪専用包丁まで存在するとは驚きでした。

ジビエの世界は非常に奥深いです。普段の豚、鶏、牛などの肉はもちろん美味しいものですが、クオリティが高いジビエが流通するようになれば、猪や鹿、アライグマなどの肉も今まで以上に一般的になるのは間違いないでしょう。


もっと詳しく読む: 岡山県が鳥獣被害対策でジビエグルメを推進 / 高品質ジビエらしいので実際に「おかやまジビエ」を食べてみた(東京メインディッシュ) https://main-dish.com/2020/02/28/gibier-in-okayama-prefecture/

O2 / オーツー
住所: 東京都江東区三好2-15-12
時間: 18:00~23:00
休日: 月曜 / 不定休(要確認)

<協力>
クドウ: TVチャンピオン「焼肉王選手権」「デカ盛り王選手権」に出場し、どちらも準優勝に輝く。日清公認のどん兵衛士の称号を得ており、どん兵衛とラーメン二郎要素を融合させた「どん二郎」のネーミングやレシピを考案。空条海苔助の名義で「世にも微妙なグルメレストラン」「彦龍のノリヒコさん」などを出版するB級グルメ研究家で「月曜から夜ふかし」などにも出演。イタリアをめぐりピザを食べる旅をするほどピザマニアでもある。また、昭和的な「個人経営の焼肉屋」をめぐる旅をする焼肉マニアで、知られざる秘境でドローンカメラマンもしている秘境グルメマニアでもある。