日本人にはまだ馴染みのない国のひとつがモンテネグロ。バルカン半島に位置するかつてのユーゴスラビア社会主義連邦共和国の一部で、クロアチアのほかボスニアヘルツェゴビナ、セルビア、コソボそしてアルバニアと国境を接しています。
国の南側は一部アドリア海に面しており、沿岸の町はリゾート地として多くの人を魅了。
なかでも今回紹介するコトルは、モンテネグロきっての人気都市。細い路地の入り組んだ旧市街では中世の名残りが色濃く感じられ、あてもなくひたすら歩きたくなるような場所です。
ヴェネチアの支配下で15世紀から軍事都市として発展したコトル。町はアドリア海から内陸に入ったコトル湾の沿岸にあり、背後を険しい山々に守られています。目の前の海や背後の山々が要塞の役割を果たし、敵の侵略を阻止。破壊を逃れ中世から受け継がれた美しい街並みは、世界遺産にも登録されています。
天然の要塞ばかりではなく、屈強な城壁に囲まれているコトルの旧市街。城壁の数ヵ所にこの様な入り口があり、中世の世界を外とむすぶ境界の役割を果たしています。
旧市街では細い路地が迷路のように張り巡らされ、地図があっても迷ってしまうほど。まるで中世の世界に迷い込んだかのような、不思議な気分を体験できますよ。
趣のある路地では、迷うのさえ楽しいです。
お土産物屋さんがならぶトンネルもあります。
小さな町でありながら、教会関連の建物が多いのもコトルの特徴。聖トリプン大聖堂をはじめ、カトリックと正教会の教会が町の中に点在しています。
ほかの建物に混じってひっそりと立っているのは、12世紀に建設された聖ルカ教会。こちらはセルビア正教会の教会です。
「サラダ広場」というちょっと変わった名前の広場には、カフェやレストランが並んで賑やか。広場脇はコトル城壁の入口に続いているので、覚えておくと便利ですよ。
広場に構えるレストランでも、特に人気なのが「Konoba Scala Santa」。地中海料理のお店で、写真のようなイカのフライや魚介リゾットをはじめとするシーフード料理が楽しめます。
美しい旧市街を眺めながら、のんびり食事ができるのも良いですね。
中世の趣を残すコトルの旧市街ですが、夕暮れ時になるとその表情がガラリと変わります。
日が沈んでオレンジの光に包まれた町は、なんともロマンティックな雰囲気。観光客がおしよせる日中のにぎやかさが嘘のように、町全体がムーディーな空気に包まれています。
広場に面したレストランでワインを傾けながら、大人な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
モンテネグロを代表する世界遺産の町コトル。中世の街並みの散策を楽しんだら、夜は雰囲気の良い旧市街のレストランで地中海料理に舌鼓を打ってみましょう。素晴らしいロケーションで楽しむ贅沢なひと時は、忘れられない旅の思い出になるはずです。
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