Uniswap とは、2018年10月に発表されたEthereum基盤の分散型取引所であり、Ethereum上で発行されているERC-20やETHなどのトークンを即時交換できるプロトコルである。ユーザーが持ち込んだトークンと流動性提供者がプールに預けているトークンとが、一定の方法で交換される。すべての取引がスマートコントラクトで実行されており、取引に仲介者が存在しないというのが一つの特徴である。Uniswapはイーサリアム財団という非営利団体からの開発助成金10万ドルだけでローンチされ、当初はVCなどのシェアホルダーが存在しなかったため、「DEX(分散型取引所)を体現するプロジェクト」と評価される事が多い。
従来のDEXとの違いでは、Uniswapはユーザーが流動性の提供に参加することにより手数料収入を得られるという点も異なる。Uniswapでの取引については、取引のたびに取引額の0.3%が手数料として流動性提供者に支払われるため、流動性プールに預けている割合に応じて手数料が分配される。なお、ロックした資産の価格変動が手数料を上回れば、損失が発生する可能性もある。
9月17日、Uniswapはこれまで設定してこなかった基盤トークンUNIをローンチし、分配を開始した。UNIはガバナンストークンであり、UNI保有者はUniswapの仕様について重要な変更に投票する権利を持つ。ユーザーへ分配されるUNIは60%と予定されているが、そのうち15%は過去のユーザーや流動性提供者等にエアドロップで分配された。残りは4年間かけて流動性マイニングの報酬などに利用される。
9月9日、Uniswap 上でTVLを集めたSushiswapが分かれたことで、UniswapのTVLは一時70%以上減少した。しかし、UNIのローンチをきっかけとして、UniswapのTVLも再度増加に転じた。Defipulseによると、10月2日時点でのTVLは21.6億ドルで、トップの座に返り咲いている。9月18日から4つのプールで流動性マイニングが開始されたことも、TVLの増加に寄与したと見られる。UNIトークン発行について「説明不十分」と見る向きもあるようだが、プロジェクトの価値を示してからのトークン発行ということもあり、好意的な見方が概ね優勢なようである。