ノルウェーの首都、オスロ郊外に位置するビィグドイ地区。

オスロの西側に突き出た半島で、のどかな土地にノルウェーを代表するユニークな博物館が集まるミュージアム地区です。

ここにある博物館のひとつが、「フラム号博物館」。ナンセンの北極探検に使われた探査船「フラム号」が公開されている、冒険心をくすぐる博物館です。

オスロ中心部からはやや離れていますが、30番のバスで約30分。夏季は市庁舎前の港からフェリーも運行し、フラム号博物館は、フェリーを降りたらすぐそこです。

フラム号とは、北極海流の研究のために造られた、全長39メートル、700総トンにのぼる巨大な帆船。その名は「前進する船」の意味をもっています。

フラム号博物館は、三角形をしたクリーム色の外観が印象的な建物。

それほど大きくは見えませんが、館内に入ると、吹き抜けになっている建物いっぱいに、フラム号がデーンと鎮座する光景が目に飛び込んできます。

その迫力たるや想像以上。歴史に名を残す探査船と対面できるというのは、やはり感慨深いものです。

フラム号は、1893~1912年にかけて3つの重要な探検に使用され、北極と南極の両方に到達。海氷の圧力に耐えられるように設計された丸底の船体が特徴で、史上最強の木造極地探検船ともいわれています。

フラム号の探検のなかでも特に有名なのが、ノーベル平和賞を受賞したフリチョフ・ナンセンによるフラム号遠征です。

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