1868年(明治元年)9月8日、一世一元の制を定められたうえで、明治と改元されたことによって始まった明治時代。
そんな明治の時代には多くの海外の文化が一気に流入し、日本においても多くの発明や技術発展が勃興していった時代。
そんな急激な西洋化が進む日本において、今なお多くの人々に愛されている、ある画期的なグルメが誕生したことをご存知だろうか。
それが日本が世界に誇るべきグルメの1つ、洋食だ。
トンカツ、オムライス、カキフライ、エビフライ、ハヤシライスなど、誰もが知っているこれらの代表的な洋食メニューは、1895年(明治28年)に銀座ガス灯通りに創業した1軒のフランス料理店「煉瓦亭」から生まれ、いまなお多くの人々に愛される定番メニューとして全国に広まっていったのだ。
そんな洋食メニューの中にあって、いくつかの老舗の洋食店に存在する絶品メニューこそ、「ヒラメフライ」だ。
今回はそんな美味しいヒラメフライを味わえるお店「タカサゴ」をご紹介しよう。
・創業1650年(慶安3年)、由緒正しい一膳飯屋の歴史を堪能できるお店「タカサゴ」
実はこちらのお店、なんと創業は1650年(慶安3年)。
1650年(慶安3年)といえば、徳川幕府の礎を築いた徳川家光の晩年。この年、徳川家光は病気となり、諸儀礼を家綱に代行させ、翌年48歳でその生涯を閉じることになるのだが、そんな東京がまだ江戸だった時代。
そんな時代に、高瀬屋七兵衛が創業した一膳飯屋である「高瀬屋」を起源としているこちらのお店は実に約370年もの間、多くの人々を魅了し続けてきた、まさに、江戸東京が誇るいまなお最高の一膳飯屋といっても過言ではない。
・「タカサゴ」の誇る絶品メニュー、それが「ヒラメフライ」
こちらのお店には様々なメニューが存在しており、開店と同時に多くのメニューが注文され、午後2時を過ぎてしまうと多くの人気メニューは無くなってしまう。
そんなメニューの中でも、オススメしたいのが「ヒラメフライ」だ。
注文を受けてから作られる「ヒラメフライ」だが、素晴らしい手際の良さのため、待つことはほとんどない。
テーブルに届けられるやいなや、アツアツのヒラメフライはジュージューと揚げたての音をたてており、そして香ばしいラードのかおりがふわっと鼻腔をくすぐる、そうすれば美味しいタカサゴのヒラメフライタイムのスタートだ。
まずは特製のタルタルソースとの相性を確かめてもらいたい。
サクサクに揚げられたヒラメフライは外側は香ばしく、内側はとろけるようなフワッとした食感で、まさに白身フライの女王と読んでもよいくらいの気品あふれる味わいだ。
しっかりと胡椒の効いた最高のヒラメフライをたっぷりのタルタルソースで味わう。もはや言葉での説明は必要ないかもしれない。
さらに美味しい味わいを堪能したいのなら、タルタルソースにウスターソースを加えて味わってもらいたい。
少し見栄えは悪くなってしまうかもしれないが、これがまた絶品なのだ。
サクサクの衣はウスターソースによって柔らかくなることもなく、ソースの香りと酸味と味わいをしっかりと受け止めてくれる。
さらにタルタルソースの柔らかな卵の味わいは、ヒラメフライの味わいとソースの味わいをしっかりと結合させてくれる、最高のつなぎ役であることに気がつく。
もちろん大きな炊飯器で炊かれた美味しいご飯との相性は抜群で、まさに日本人に生まれてよかった、と幸せを感じられる味わいであるし、付け合わせのナポリタンもしっかりと味わい深く、時代の大きな変化にしっかりと対応してきているからこそ、こちらのお店が江戸時代から愛され続けてきているのだと、時間の流れもかみしめることができる。
・赤、緑、黄色。信号機の色の漬物、それがタカサゴの流儀
こちらのお店、カレーや定食が美味しいのは言わずもがなだが、1点さらに特筆したいことがある。
それが、こちらのお店で提供されている赤色、緑色、黄色の3種類の漬物だ。
赤色は福神漬け、緑色はきゅうりと生姜を青じその実と漬けたさっぱりとした味わいの青しその実、黄色は壺漬けのたくあんで、これがまたご飯との相性抜群なのだ。
おかず無しでご飯を堪能できるというのもこちらのお店の素晴らしいポイントの1つと言えよう。
もし、神保町、大手町界隈を訪れることがあるのであれば、創業から約370年もの長きにわたって、庶民の胃袋を満たし続けてきているお店で、いつもと変わらない「おいしさ」を堪能してみてはいかがだろうか?
江戸から明治、大正、昭和、平成、そして令和と、いつもと変わらない「おいしさ」を継続することは、言葉では簡単であっても、実行することはほぼ不可能に近いのだ。
そんな不可能に近い歴史を積み上げてきたお店で働く方々に感謝し、いつもと変わらない「おいしさ」を継続することの大切さを知る。そんな味わい深い食の旅を堪能してみる日が、たまにあってもいいのかもしれない。
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お店 カレーの店 タカサゴ
住所 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル B1F
営業時間 月曜日~金曜日 11:00~20:25 / 土曜日 11:00~14:00
定休日 日曜・祝日および土曜日(月2回、土曜日は定休日となります)
お店のウェブサイト http://www.mai-b.co.jp/restrant/b1/post-10.html