文具、医療用テープ、産業用テープなどで知られるニチバン株式会社が、729日に「自粛痛」に関するプレス向けオンラインセミナーを実施した。セミナーでは、コロナ禍の自粛生活で慢性化する身体の不調への対策などが語られた。

今回のセミナーでテーマとなった自粛痛とは、ニチバンが提唱したもの。コロナ禍で在宅時間が増えたことなどを原因として増加した、肩こりや腰痛、疲れなどの身体の不調を指している。

ニチバンが、2060代の男女500名を対象に調査を実施したところ、自粛痛を感じている人が増えていることが明らかになった。

500名に「あなたはコロナ禍で身体の不調を感じますか?」と聞いたところ、3割以上の人が「感じる」と回答した。年代別では、20代で「感じる」と答えた人の割合が46%ともっとも高く、若年層でも注意が必要ということも分かった。

自粛痛を感じている人の中で6割の人が「不調が慢性化している」と感じていることも分かった。

さらに、自粛痛の対処法として「ストレッチ」「マッサージ」「湿布などの外用鎮痛消炎剤(貼り薬)」に頼る人が多い一方で、27%の人が対処せずに我慢していることも明らかになった。

マスク着用や寒暖差にも注意が必要

今回のセミナーには、メディアにも多数出演している、内科医・漢方医の工藤孝文氏が登壇。工藤氏も医師として「自粛痛に悩む患者さんが増えている」と感じているという。

工藤氏によれば、マスク着用も自粛痛に影響を与えているという。マスクをつけることで呼吸しづらく、酸欠状態になりやすくなる。そのことで緊張状態が続いて、肩が凝りやすくなるのだ。マスク着用が、自粛痛の代表的な症状の肩こりにつながるのだ。

夏ならではの寒暖差の問題についても、工藤氏は語った。夏の暑さと、冷房によって寒暖差が生じる。寒暖差が10度前後あるため、体温調節をつかさどる自律神経がバランスを保てなくなり、様々な症状が現れる。

寒暖差による疲労の主な症状は、肩こり、腰痛、頭痛、めまい、不眠、食欲不振、便秘、下痢、イライラ、気分の変化、冷え、むくみなど多岐にわたる。

このように自粛痛、マスク生活、寒暖差などによって、コロナ禍の生活において身体は不調になりがちだ。先ほど、27%もの人が自粛痛に対して何もせず我慢をしているというデータを紹介したが、状態が悪化する前に自分でできる対処法を実践したほうがいいだろう。

工藤氏は痛みを感じたら、すぐに対処する「即ケア」を勧めた。即ケアをするときに有効なのは湿布。湿布を使って、痛みを感じたときにすぐに身体をケアすることを心がけるようにしたい。

ロイヒシリーズで自粛痛を解消

即ケアで使える貼り薬だが、ニチバンは昨年11月に鎮痛消炎テープ剤「ロイヒ膏ロキソプロフェン」(第2類医薬品)を発売した。

ロイヒ膏ロキソプロフェンはニチバンの「ロイヒ」シリーズの新商品で、鎮痛消炎剤成分ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合。24時間効果が持続するので、11回の使用で肩こりの痛みや腰痛に効く他、無臭タイプなのでオフィスなどで人と一緒に過ごすときでも気にせず使える。

ニチバンの担当者に、ロイヒ膏ロキソプロフェンのより効果的な使い方を聞いた。

「ロイヒ膏ロキソプロフェンは24時間効果が持続しますので、お風呂上がりの30分後ぐらいに貼っていただくといいのではないでしょうか。そして、24時間後の次の日の入浴前にはがしていただければ、24時間の効果を有効に使えると思います」

ロイヒシリーズの他の製品に関しては、使用するのにおすすめのタイミングはあるのだろうか?

「他の製品は、だいたい5時間から12時間ぐらい効果が持続します。工藤先生が『即ケア』のお話をなさっていましたが、痛みを感じたらすぐに貼っていただくのがいいかなと思います」

ワクチン接種は進んでいるものの、まだまだコロナ禍の自粛生活は続くことだろう。自粛痛にはロイヒシリーズなどの貼り薬を使用した即ケアで臨みたいところだ。