井上尚弥悲願の4団体王座統一戦実現となるか?
全戦全勝、KO率87.0%、世界3階級制覇王者でバンタム級初の3団体統一王者という快挙を成し遂げた「THE MONSTER」井上尚弥選手。誰にも止められないその躍動に世界から注目を集めています。
そんな中、米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトにより、WBO世界同級王者ポール・バトラーとの4団体王座統一戦を12月13日に日本で開催すると報じられました。
大橋ジムの大橋秀行会長は「交渉中」「まだいろいろある」などとコメントしているため、あくまでも「報道」であり「正式合意」には至っていない雰囲気はあります。
しかし井上尚弥選手の4団体王座統一へのこだわりは強く、「バンダム級でやり残した試合はあと1つ」とコメントを残し、対バトラー選手を想定した練習を開始しました。
日本はもちろん、世界が待ち望む井上尚弥悲願の4団体王座統一戦実現となるか!?今度の正式合意発表が待ち望まれます。
対戦が報道されたバトラー選手についてのコメント
「バトラーの持ち味はフットワークとジャブ、そして横の動き。しっかり作戦を立てないといけない」と、常に警戒心を持ち続ける井上尚弥選手。
PFP(パウンド・フォー・パウンド)で1位に選出されたのにも関わらず、井上尚弥選手は「真のNo.1だとは今でも全然、思っていない」とコメントしています。
世間は「井上尚弥選手の圧倒的な勝利」を予想していますが、当の本人はチャレンジャー精神でポールバトラー選手に挑むとされ、謙虚な姿勢を見せています。
ポールバトラー基礎情報
本名 ポール・バトラー(Paul Butler)
階級 バンダム級
国籍 イギリス
年齢 33歳
身長 168cm
体重 53.542kg以下(非公開)
戦績 36戦34勝2敗(15KO)
主な獲得タイトル IBF世界バンタム級王座
WBO世界バンタム級暫定王座
WBO世界バンタム級王座
ポールバトラーってどんな選手?
1988年11月11日にイギリスのチェシャー州チェスターで生まれたポールバトラー。
幼少期の生い立ちは明らかにされていませんが、ボクサーとしてはアマチュア出身で2010年12月11日にプロデビューし、初戦を4R判定で勝利しました。
アマチュア時代の「2010年度ABAEフライ級王座」を皮切りに、「BBBofC英国スーパーフライ級王座」「WBAインターコンチネンタルスーパーフライ級王座」「WBOインターナショナルバンタム級王座」「IBF世界バンタム級王座」「WBO世界バンタム級暫定王座」など、次々とタイトルを獲得していきます。
通称「童顔の暗殺者」とも呼ばれ、ベビーフェイスながらも強烈なボディフックで仕留める様は、まさに暗殺者です。
ポールバトラーこれまでの戦績
日程 勝敗 対戦相手 タイトル
2010/12/11 ○4R判定 アンワル・アルファドリ
2011/4/2 ○5RTKO フランシス・クロース
2011/7/16 ○4R判定 アンワル・アルファドリ
2011/9/17 ○6R判定 デルロイ・スペンサー
2011/10/15 ○1RKO デビッド・カナラス
2012/1/20 ○8R判定 マイケル・ラマベレツァ
2012/5/18 ○3RTKO フセイン・フセイノフ
2012/7/5 ○10R判定 アシュレイ・セクストン
2012/11/9 ○1RKO ジョン・ドネリー BBBofC英国スーパーフライ級王座決定戦
2013/3/21 ○4RTKO アンワル・アルファドリ
2013/4/20 ○5RTKO ヤクブ・カレン コモンウェルス英連邦スーパーフライ級タイトルマッチ
2013/6/28 ○4RKO ナジーム・アリ コモンウェルス英連邦スーパーフライ級タイトルマッチ
2013/9/21 ○12R判定 ミゲール・ゴンサレス WBOインターコンチネンタルスーパーフライ級王座決定戦
2013/12/7 ○12R判定 ルーベン・モントーヤ WBAインターコンチネンタルスーパーフライ級王座決定戦
WBOインターコンチネンタルスーパーフライ級タイトルマッチ
2014/3/8 ○4RKO オレステ・ベルナベ・ニエバ WBAインターコンチネンタルバンタム級王座決定戦
2014/6/7 ○12R判定 スチュアート・ホール IBF世界バンタム級タイトルマッチ
2014/10/25 ○10R判定 イスマエル・ガルニカ
2015/3/6 ●8RTKO ゾラニ・テテ IBF世界スーパーフライ級王座決定戦
2015/7/11 ○5RTKO グスタボ・モリナ
2015/10/3 ○1RKO エクトル・ローランド・グスマン
2015/12/19 ○6RTKO シルビオ・オルティーヌ
2016/3/12 ○9RTKO セバスチャン・サンチェス WBOインターナショナルスーパーフライ級王座決定戦
2016/10/22 ○10R判定 アレクシス・ルイス
2016/12/3 ○10R判定 アレクサンデル・カサレス
2017/4/8 ○4RTKO カルロス・ルーベン・ダリオ・ルイス
2017/9/30 ○12R判定 スチュアート・ホール
2018/2/3 ○8RTKO ジェフェルソン・バルガス
2018/5/5 ●12R判定 エマヌエル・ロドリゲス IBF世界バンタム級王座決定戦
2018/11/3 ○10R判定 ヨアン・ボワイヨ
2019/3/30 ○6R判定 ファディリ・マジハ
2019/5/18 ○6RTKO サルバドール・エルナンデス・サンチェス
2019/9/22 ○6R判定 ホセアファト・レイジェス
2019/12/14 ○6R判定 ホセ・アギラール
2020/10/18 ○8R判定 ライアン・ウォーカー
2021/6/25 ○10R判定 ウィリバルド・ガルシア WBOインターナショナルバンタム級王座決定戦
2022/4/22 ○12R判定 ジョナス・スルタン WBO世界バンタム級暫定王座決定戦
4月に行われたジョナス・スルタン戦は
2022年4月22日、ポールバトラーはフィリピン出身のジョナス・スルタンとWBO世界バンタム級暫定王座決定戦が行われました。
当初、フィリピンの破天荒ボクサー「ジョンリル・カシメロ」が持つWBO世界バンタム級王座を賭けての挑戦試合でした。しかし、カシメロの減量失敗(表向きはウイルス性胃炎で緊急入院と報道)により流れて組まれたのがこのスルタン戦です。
ほぼ全てのラウンドでポールバトラーが優位に立ち、12Rで判定勝ち(3-0)した結果、WBO世界バンタム級暫定王座を獲得しました。
しかしカシメロの度重なる悪事、試合直前のサウナ使用(健康上の理由から禁止されている)などが問題視され、最終的にカシメロは王座剥奪処分となり、ポールバトラーがWBO世界バンタム級王座に昇格しました。
ポールバトラーが番狂わせをおこす可能性はあるのか?
世界が注目する井上尚弥とポールバトラーの4団体王座統一戦。試合結果予想は圧倒的に井上尚弥優位で、「番狂わせもありえない」との声もあります。
しかしポールバトラーに勝機がないというわけではありません。これまでの中間距離でのファイトスタイルを一新し、巧みなフットワークを活かしたアウトボクシングに徹すれば逃げ切り判定勝利の番狂わせは十分に考えられます。
ただ固いガードをことごとく破壊してきたハンマージャブ、そして階級を超越するパンチ力を持つ井上尚弥に、それが通用するかどうかは正直難しいかもしれません。
ブックメーカーのオッズにも注目
井上尚弥とポールバトラーの4団体王座統一戦の試合予想は、ブックメーカーのオッズに注目すれば一目瞭然です。
現段階ではまだ正式合意に至っていないため、ブックメーカーでオッズの確認はできませんが、最近では対ドネア戦で圧倒的なオッズの違いが見られました。
井上尚弥 | ノニト・ドネア | |
KO・TKO勝ち | 1.50倍 | 9.00倍 |
判定勝ち | 4.0倍 | 11.0倍 |
引き分け | 19.00倍 |
この試合では井上尚弥の2R1分24秒TKO勝利となり、低いオッズに値する試合結果となりました。
4団体王座統一戦が正式発表されれば、多くのブックメーカーやオンラインカジノでオッズが見られるようになります。試合予想をより楽しむために、是非ともチェックしてみてください。