お寺や城などの文化財が多く、日本を代表する観光地として名高い古都京都。しかし、京都の魅力はそれだけではありません。
京都市から少し足を伸ばした京都府北部には、自然豊かな景観や、丹後ちりめんなどの伝統工芸、受け継がれる食文化といった魅力がたくさんあります。昔ながらの家々や茶畑が残り、山里に佇む情緒ある古民家を購入する外国人も増えてきているようです。
この記事では、そんな京都府北部で立ち寄ってほしいスポットをいくつか紹介します。
【宮津市】元伊勢籠神社京都府北部にある宮津市は、日本三景の「天橋立」で有名な、海の京都エリアを代表する市です。元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)、成相寺、天橋立ビューランドなどがよく知られています。
元伊勢籠神社は、丹後一の宮として、丹後で最も格が高いとされる古社です。伊勢神宮に奉られる天照大神、豊受大神がこの地から伊勢に移されたという故事から元伊勢と呼ばれています。
拝殿の奥には伊勢神宮と同様の神明造りの本殿があります。本殿の高欄にある五色の座玉(すえたま)は、伊勢神宮御正殿と籠神社でしか見られません。奥宮の眞名井神社はパワースポットとして多くの方が訪れます。
名称:丹後一宮 元伊勢 籠神社
住所:京都府宮津市字大垣430
https://www.motoise.jp/
天橋立ワイナリーは、天橋立に自然に堆積する牡蠣殻や松葉を土づくりに利用した、この土地でしか実現できないぶどう栽培とワインづくりを行っているワイナリーです。
ワイン発酵室や地下ワインセラー、ぶどう畑の見学ができるほか、ワインショップでは各種ワインやワイン用に栽培されたぶどうを使ったワイン塩やスイーツなどのおみやげを購入できます。
醸造所でのみ飲むことができる発酵途中のベビーワイン「フェーダーロータ」の試飲は1杯200円。ボトル詰めされたワインとは異なる、みずみずしくフレッシュな味わいが楽しめます。
名称:天橋立ワイナリー
住所:京都府宮津市国分123
http://www.amanohashidate.org/wein/
天橋立から車で15分ほどの雄大な自然に囲まれた高台に位置する「セントラーレ・ホテル京丹後」は、天然温泉と旬のグルメが自慢のお宿です。
お部屋は和室・和洋室・洋室など全20室。ゆったりとした落ち着いた雰囲気で、窓からは京丹後市を一望できます。アメニティにはセントラーレで育ったラベンダーを乾燥させたサシェ(香り袋)が用意されているのが嬉しい心づかい。枕元に置けば、ふわりと心地よいアロマが広がります。
丹後半島は海と山に囲まれた食材の宝庫。蟹やブリ、イカ、牡蠣といった海の幸や、丹後のコシヒカリは有名です。セントラーレ・ホテル京丹後では、地元丹後産を中心とした新鮮食材を使った、季節ごとの料理を楽しめます。
3月の弥生会席は、桜鱒吟醸味噌幽庵焼や蒸し蟹などを盛り合わせた雛祭り八寸、お造り、甘鯛東寺蒸し 銀餡掛け、黒毛和牛ステーキ 九条葱と実山椒のソース、山菜・裏白椎茸・香魚・ワカサギの天麩羅、蛍烏賊の釜飯など。素材の味を生かした丁寧な調理で、目も舌も大満足できます。
館内には天然温泉「小野小町温泉」があります。京丹後市大宮町が、平安時代の六歌仙の一人で、絶世の美女といわれた小野小町と縁の深い土地であるという伝承から名づけられた美人の湯です。
石灯籠、自然石、花木を配した庭園を眺められる露天風呂は、開放感たっぷりで丹後の自然と溶け合ったような気持ちになれることでしょう。晴れた日の夜には、満天の星空も見られます。
朝食は地元産の魚介や野菜の籠盛りを中心とした健康的なメニューです。この日は、丸大根のあかもく餡かけ、法蓮草の胡麻和え、近海で獲れたカレイの一夜干し、久美浜産の蒟蒻旨煮など。
セミビュッフェスタイルとなっており、テーブルに並べられている料理以外にも、焼きたてのだし巻き卵や地元産のオーガニック野菜を使用したサラダ、丹後の契約農家で栽培されたコシヒカリの炊き立てご飯などを好きなだけいただけます。
2023年春には、敷地内に天然温泉露天風呂・庭付きヴィラ3棟が完成しました。露天ジャグジー付き和モダンスタイルのSKY、大人もくつろげるゆとりのMAUVE、愛犬といっしょに泊まれるARF、全3棟の個性豊かなヴィラで、家族や友人と気兼ねなく過ごせます。
名称:セントラーレ・ホテル京丹後
住所:京都府京丹後市大宮町三坂105-15
https://www.centrale.co.jp/
与謝野町のちりめん街道は、江戸から明治・大正・昭和初期にかけて高級織物「丹後ちりめん」が隆盛を極めた場所です。当時の商家や駅舎など、ちりめん産業により町を近代化した建造物が多く残されており、平成17年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
旧尾藤家住宅は、かつて生糸ちりめん商家で栄え町に多大な貢献した尾藤家の住宅です。
現在も残る尾藤家の住宅は、日本建築に昭和初期の洋風住宅建築が付加された、当時の建築としてはとても珍しい重厚な造りとなっています。開館時間中は内部の見学が可能です(有料)。
名称:旧尾藤家住宅
住所:京都府与謝郡与謝野町字加悦1085
開館時間:9時~17時(入館は16時半まで)
休館日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料:個人 一般 440円、小中学生 110円
https://yosano-kankou.net/chirimenkaido/?page_id=162
ちりめん街道の北側入り口に建つ旧加悦(かや)町役場は、かつての丹後ちりめんによる繁栄ぶりを今に伝える昭和初期の希少建造物です。現在は与謝野町観光協会、およびシルクブランド産品の展示、シルク手作り体験などの拠点として活用されています。
シルク100%の糸を使った「組み紐ミサンガ作り」は、所要時間20~30分ほどで体験が可能です。単純な作業なので子どもでも楽しく作れて、完成したミサンガは持ち帰れるので、ちりめん街道を訪れた良い記念になることでしょう。
名称:旧加悦町役場庁舎
住所:京都府与謝郡与謝野町加悦1060
開館時間:9時~17時
休館日:無休(年末年始を除く)
綾部市にある古民家を改修した「御味噌庵 織りや」は、室町時代をコンセプトにした食事処です。京都西陣織の織りやに生まれ、手織(てばた) の音を聞きながら育った女将が、亡き父の家業「織りや」を店名として引き継いだとのこと。
味噌を活かしたお膳が人気で、この日は綾部産のコシヒカリに甘辛い味噌味の牛肉をのせた牛丼、綾部の酒蔵・若宮酒造 綾小町の酒粕豆腐汁、蒸し野菜ときのこの朴葉味噌和えをいただきました。
朴葉味噌膳やむしやしないといった食事のほか、焼き味噌手毬むすびが付いた和のアフタヌーンティーセットや甘味も楽しめます。完全予約制のため、訪れるときは前日までに予約が必要です。
名称:御味噌庵 織りや
住所:京都府綾部市豊里町三宅107
https://oriya.crayonsite.net/
ローカルライフ若松旅館は綾部市の町屋を改修した一棟貸しの宿(定員12名)です。田舎暮らしを体験したり、移住先探しの拠点にしたりと、ホテルとは一味違う滞在ができます。
打ち合わせや会議にも使える長テーブルもあるのでビジネスユースも可能です。綾部の散策に便利な立地にあるので、観光をしながら、グループでワーケーションを行うこともできそうですね。
名称:ローカルライフ若松旅館
住所:京都府綾部市若松町庵ノ上40-1
問い合わせ:0773-42-0823(有限会社原田商店)
この記事で紹介したスポットは京都府北部の魅力のごく一部に過ぎません。ぜひ、京都市から足を伸ばして、景観・文化・食など、古き良き京都府北部の魅力を再発見してみませんか。
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