日本人にとって、旅の醍醐味の1つといえばお弁当。
海外にはあまり駅弁という考え方が無いため、海外の人々も日本にくるとそのお弁当の種類の多さに驚くほど。
例えば、米どころ新潟が誇る絶品の駅弁「えび千両ちらし」、群馬県が誇る美味しい駅弁「登利平(とりへい)」の鳥めし弁当に、お弁当としてもおつまみとしても美味しく味わえる「国技館やきとり」、そして名古屋のひつまぶし巻きに、広島が誇るソウルフード!むすびのむさしの「おにぎり弁当」、さらにはサバサンドなど、さまざまな美味しい駅弁が存在している。
今回は、日本全国各地に存在する美味しいお弁当の中から、福島県郡山市が誇る、駅弁好きが最後にたどり着く至高の駅弁をご紹介したい。
その駅弁こそ、「福豆屋」の海苔のりべんだ。
・創業1924(大正13)年のほぼ100年の歴史のある老舗が作る駅弁
今回ご紹介する「海苔のりべん」は、1924(大正13)年創業の「福豆屋」によって製造されている。
1924(大正13)年といえば、東京で発生した未曾有の災害、関東大震災の翌年。第1回冬季オリンピックがフランスで開催され、寿屋(現・サントリー)が山崎に日本初のウィスキー工場を建設、ウォルト・ディズニーが初のアニメーション「不思議の国のアリス」を製作するなど、様々な新しいモノやサービスが生まれていた時代。
そんな時代から、現在に至るまで、美味しい料理を提供し続けているのが、「福豆屋」なのだ。
・「海苔のりべん」の素晴らしさ、とは?
「海苔のりべん」の素晴らしさは、味わってみなければわからないかもしれない。
まず、包み紙を開けると、
海苔が敷き詰められたご飯パートに、おかずパートにはシャケや煮物が並んでいるという、一見するとオーソドックスな幕の内弁当のようなスタイルであることがわかる。
まず特筆したいのがおかずパートだ。
一見すると普通の煮物に見えるかもしれないが、この里芋と人参の煮物が本当に美味しい。
特に里芋の煮物の丁寧さと美味しさは目を見張るほどの素晴らしさであることは、この弁当を味わったことがある方であれば、わかるはずだ。
そして、添えられているごぼうについても非常に美味。しっかりとごぼうの風味がありながらさっぱりとしており、さらに歯触りもよく仕上げられているため、他のおかずとの食感の違いが非常に心地よいのだ。
そしておかずのメインとなるのがシャケと卵焼き。
大ぶりのシャケは脂のノリもよく、他のおかずとのバランスも非常に良い。
そしてシャケに負けないくらいの大きな卵焼き。
味わいも一般的な卵焼きに比べて淡く、それぞれの具材の味の濃淡のバランスを取ってくれる非常に重要かつ美味なおかずとなっている。
もちろん、添えられたかまぼこやさっぱりとした漬物も素晴らしい味わいだ。
そして、最後にご紹介するのがご飯パート。
正直に申し上げると、この駅弁はこのご飯パートだけでも成立するのではないか?と思えるほどの旨さ。
もし自宅にこのお弁当を持ち帰るのであれば、ご飯パートだけを味わって、さらに別途白飯を用意しておかずを食べる、ということが可能なほど、それぞれが成立している。
まず、ご飯の上には鰹節を使ったオカカと海苔、そして梅干しが整然と並べられている。
そして特筆したいのが、このご飯パートは海苔が2段になっているということ。
中身の海苔パートにはオカカではなく、シソ昆布の佃煮が敷き詰められている。そのため、鰹節のオカカの旨みにシソ昆布のさっぱりとした美味しさ、そして海苔の美味しさが絶え間なく押し寄せる波のように口の中で広がっていくのだ。
まさに最高の海苔弁当がここにはある。
・季節限定メニューも存在している
実はこちらの「福豆屋」さん、季節限定メニューも存在している。
例えば、もう来年にならないと味わえないのだが、夏期限定の相馬野馬追弁当。
香ばしい岩のりに、大ぶりのシャケ、
美味しいイカの一夜干しに、「福豆屋」さんが誇る卵焼き、
メヒカリの天ぷらに、伊達どりのつくねなど、福島の美味しい食材をたっぷりと詰め込んでいる夏期限定の駅弁もオススメだ。
もし福島を旅行することがあれば、創業100年と長い歴史を誇る「福豆屋」さんの美味しい駅弁を味わってみてはいかがだろうか?
きっとそこには、丁寧に仕事と歴史を継続してきた、本物の味わいがあるに違いないのだ。
お店 福豆屋
住所 福島県郡山市字燧田 JR郡山駅構内
*駅改札外に1箇所、改札内に1箇所、新幹線プラットフォームに1箇所、合計3箇所のお店があります
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