ドイツ中部テューリンゲン州に位置するバート・ランゲンザルツァ(Bad Langensalza)は、古い木組みの家々が並ぶ旧市街や多彩な庭園、温泉が魅力の小さな街です。中世の面影を残すテューリンゲン州の州都エアフルトやミュールハウゼンとあわせて訪れる旅先として知られています。
街中には花と緑があふれ、日本庭園やバラ園、植物園といった趣向の異なる10の公園・テーマガーデンが整備されています。近郊にはユネスコの世界自然遺産「カルパティア山脈と他のヨーロッパ地域のブナ原生林」の一つとして登録されているハイニッヒ国立公園(Hainich National Park)があり、歴史散策や自然体験が好きな人におすすめの旅先です。
歴史的な旧市街(Historische Altstadt)バート・ランゲンザルツァでまず訪れたいのが、色鮮やかな木組みの家々や石造りの歴史的建築が残る旧市街です。修復された建物が並ぶ通りや広場を歩けば、ドイツの歴史ある地方都市ならではの落ち着いた雰囲気を感じられるでしょう。
歴史的建造物に指定され、ドイツ木造家屋街道の一部にもなっている旧市街は、中世の城壁と塔に囲まれています。城壁の全長は2.5キロメートルあり、大戦中も破壊されることなく、今日まで残っています。
マルクト広場周辺には、13世紀半ばから16世紀末にかけて建設・拡張された「聖ボニファティウス教会(Marktkirche St. Bonifacii)」などの見どころがあります。街の中心を起点に路地や小さな広場を巡ってみましょう。
バート・ランゲンザルツァの市庁舎は、1711年の大火災の後、1742年から1752年にかけて地元のトラバーチン石を用いて再建されました。中世の建物で現存するのはアーチ型の地下室と塔のみですが、塔には今も1712年製の鐘が残っています。
市庁舎にはグロッケンシュピール(金属製の音板をもつ鍵盤打楽器)があり、毎日正午と午後6時に、14曲のレパートリーの中から1曲が演奏されます。
ドイツの郵便ポストは黄色ですが、この市庁舎には青く塗られた鋳鉄製の「POSTBRIEFKASTEN(郵便差出箱)」が歴史的意匠として残っています。このポストは約200年前、プロシア時代のもので、当時の役人が青色の制服を着ていたことにちなんで青色に塗られたのだとか。
市庁舎前の広場には、2頭のライオンの像が飾られた噴水があります。黒いライオンはサクソニアを、茶色のライオンはチューリンゲンを表しているそうです。
日本庭園(Japanischer Garten)バート・ランゲンザルツァを代表するスポットのひとつが、日本の庭園文化を取り入れた日本庭園(Japanischer Garten)です。なぜドイツの小さな街に日本庭園があるのかと驚くかもしれません。
日本に姉妹都市があったり、文化交流が盛んだったりするわけではありませんが、この日本庭園は「KOFUKU NO NIWA(幸福の庭)」と名付けられ、立派な鯉が泳ぐ池や石庭、盆栽があり、茶室も備わっています。
園内では、水辺の景色を眺めながら、静かな小径の散策を楽しめます。春には桜、夏にはツツジ、秋には色づくカエデと、季節ごとに異なる表情が見られるのも魅力です。茶室では、日本の茶道に触れられる催しも開催されるとのこと。日本文化に興味を持ってもらえるのは嬉しいことですね。
バラ園(Rosengarten)花の街を象徴するもうひとつの場所が、バラ園(Rosengarten)です。園内では約450品種、1万株を超えるバラを鑑賞できます。品種ごとに異なる花の形や色、香りを堪能できる、花好きにはたまらないスポットです。
初夏には色とりどりのバラが咲き乱れる園内の散策を楽しめます。バラの花を目当てにするなら、開花状況を確認したうえで5月から9月頃の訪問を計画するとよいでしょう。
フリーデリケ城と宮殿庭園庭園と歴史建築を一緒に楽しみたいなら、「フリーデリケ城(Friederikenschlösschen)」を訪ねてみてください。ザクセン=ヴァイセンフェルス公妃フリーデリケが1749〜1751年に夏の離宮として建てたバロック様式の館で、現在は歴史的な庭園とともに街の文化的な見どころになっています。
閑静な公園と歴史的な印刷所や温室などに囲まれているので、散策の途中で立ち寄り、建物と緑が織りなす景色を楽しむのがおすすめです。庭園内には、硫黄泉にまつわる歴史を伝える施設もあります。バート・ランゲンザルツァが花の街であると同時に、温泉保養地として歩んできたことを感じられる場所です。
このほかにも、市内には植物園、樹木園、薬草園、マグノリア庭園など、異なるテーマを持つ庭園が点在しています。時間に余裕があれば、日本庭園やバラ園以外のテーマガーデンにも足を運んでみるのもよさそうです。
近郊への日帰り旅なら、ハイニッヒ国立公園へバート・ランゲンザルツァを訪れたら、近郊の「ハイニッヒ国立公園(Hainich National Park)」にもぜひ足を運びたいところです。ヨーロッパブナの原生林が広がるこの地域はユネスコ世界自然遺産の構成地域として知られています。
見どころの一つは、森の樹冠付近を歩けるキャノピーウォーク。地上とは違う目線から森林を眺め、木々の生態や森の豊かさに触れられます。花や庭園を楽しむ街の旅と自然の中で過ごす時間。その両方を組み合わせられるのが、バート・ランゲンザルツァを旅の拠点にする魅力です。
ハイニッヒ国立公園の展望台からは、10キロメートル先にバート・ランゲンザルツァを望めます。バート・ランゲンザルツァの街からハイニッヒ国立公園は車でおよそ20分でアクセスできるので、ぜひあわせて訪れてみてください。
【関連記事】古城とビールだけじゃないドイツへ。世界遺産の森を歩くハイニッヒ国立公園への旅
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
The post 【ドイツ】日本庭園からバラ園まで。多彩な庭園が魅力の小さな街、バート・ランゲンザルツァを訪ねて first appeared on GOTRIP!.