大阪府は全国一の「喫茶店王国」。ドリンクを注文したらトーストやゆで卵が自動的に付く「名古屋モーニング」を提供することで有名な愛知県を抜いて、飲食店の内でも喫茶店の占める割合が日本で一番高いのが大阪府です。
もともと、日本の「喫茶店文化」は関西発。大阪の喫茶店文化は、明治時代にさかのぼり、店内のレトロで重圧な雰囲気、店備え付けの雑誌や新聞、アイスコーヒーを「冷(レイコー)」と呼ぶなど現在でも関西で花開いた喫茶店文化の名残は残っています。
その文化のひとつが「ミックスジュース」。喫茶店の占める割合が日本で一番高い大阪は、ミックスジュース発祥の地でもありました。
今回はご紹介するのは「ミックスジュース発祥の店」といわれる大阪・新世界の老舗喫茶店『千成屋珈琲』。店舗は、大阪通天閣のお膝元、新世界の「じゃんじゃん横丁」内にあります。
・伝統の味を引き継ぎ、今でも元気に営業中の老舗喫茶店「千成屋珈琲」
1948年創業の「千成屋珈琲」は、営業開始から70年経つ今も「ミックスジュース発祥の店」として、地元の方に愛飲されています。
元々は、果物店の店主でもあった創業者が、「売れ残った果物を捨てるのはもったいない」とジュースにしたのがミックスジュースの始まりなのだとか。
・営業開始からモーニングセットで飲むことができるミックスジュース
そんなお店自慢のミックスジュースは、お店の営業開始からモーニングセットで飲むことができます。喫茶店のモーニングセットといえばコーヒーが定番ですが、大阪ではミックスジュースが定番メニューとして提供されているお店が多いのだそう。
「ハッピーモーニングサービス」は2種類。コーヒーまたはミックスジュースの料金でトースト&ゆで玉子付を食べることができます。
▼ハッピーモーニングサービス(ミックスジュース)
・ミックスジュースのおいしさの秘密は氷にあった
早速ミックスジュースを飲んでみると「スムージー」のような滑らかな舌触りを感じ、そして濃厚。
ミックスジュースは、数種類の果物と牛乳をミキサーで混ぜ合わせて作る飲み物で、『千成屋珈琲』でも果物はバナナ、リンゴ、桃、ミカンを使用しているのだとか。
それらの果物に牛乳を加えるのだが、『千成屋珈琲』では果物、牛乳にかき氷を入れているのだそう。それゆえ提供されたミックスジュースには氷が入っていません。
この舌触りの滑らかさは、かき氷を入れていることにありました。
濃厚なミックスジュースには、トーストとゆで卵がよく合います。実はこのお店のもう一つの名物は珈琲。
「冷コー」と親しまれてきたアイスコーヒーは水で抽出する「ダッチ・コーヒー」、ホットコーヒーは「サイフォン」と「ドリップ」で一杯ずつ提供するこだわりのコーヒーも楽しむことができますよ。
店内は重圧感のあるレトロで落ち着いた雰囲気。営業開始は地元や近所の常連客がコーヒーを飲みながら会話を楽しむ姿が見られます。
『千成屋珈琲』の隣には、創業者の原点となる果物店を継承した「千成屋フルーツパーラ」が併設されており、名物ミックスジュースはもちろん、ソフトクリームやフルーツパーラ自慢の果物を使用したスイーツなどをテイクアウトすることができます。
ジュースやスイーツを片手に、新世界の新しい楽しみ方を満喫してみませんか。
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お店 千成屋珈琲
住所 大阪市浪速区恵美須東3丁目4番地15
営業時間 平日 9:00~21:00 (F.L.O.20:00/D.L.O.20:30
土・祝前日 9:00~23:00 (F.L.O.22:00/D.L.O.22:30)
定休日 なし
お店のHP http://www.sennariya-coffee.jp