世界で最も有名なカジノ「カジノ・ド・モンテカルロ」を擁するモナコ公国。
お金持ちが集う華やかな社交場のイメージが強いモナコですが、その魅力は単に高級リゾートというだけにとどまりません。
カジノや高級ホテルが集中するモンテカルロ地区とは対照的に、下町的な雰囲気が味わえるのが中世から続く旧市街、モナコ・ヴィル地区。特にお金持ちではない一般の旅行者にとって、モナコ観光の中心となるのはおそらくこの地区でしょう。
モナコの歴史がぎゅっと詰まったモナコ発祥の地、モナコ・ヴィルを歩いてみましょう。
・モナコ大公の公邸、大公宮殿
モナコ・ヴィルは、モナコ公国の中心、海抜60メートルの岩山の上に築かれています。
堅固な要塞都市といった雰囲気のモナコ・ヴィル地区を象徴する存在が、モナコを治める大公の公邸である大公宮殿。1215年にジェノヴァ人が築いた要塞跡に建てられた宮殿で、17世紀のオノレ2世の時代に現在見られるようなイタリア・ルネッサンス様式の建物になりました。
毎日11:55から衛兵交代式が行われるほか、夏期(4~10月)は内部見学も可能。大理石の床とフレスコの天井画が美しい「エルキュールの回廊」や、公式行事が行われる「王冠の間」、グレース・ケリーとレニエ3世との結婚の儀式で使用された「ルイ15世の間」など、華麗に装飾された部屋の数々は必見です。
さらに大公宮殿前の広場からは、モナコ市街と地中海の美しいパノラマが堪能できます。日中の景色はもちろんのこと、しっとりとした夜景も美しく、時間帯に応じてその表情を変えるモナコの風景から目が離せません。
・カラフルで親しみやすい町並み
大公宮殿前の広場からは、黄色やオレンジ、ピンクといったカラフルな建物に挟まれた路地が延びています。そのうちの一本に足を踏み入れると、一気に数百年の時をさかのぼったかのような感覚に・・・
カジノや高級ホテルが建ち並び、港には豪華なクルーザーが停泊する典型的なモナコのイメージとはまったく異なる光景が広がっています。
まるでイタリアの下町のような親しみやすい雰囲気に、すっかり気分もリラックス。庶民的な土産物屋やカジュアルなカフェ、スナック屋台などが並ぶ様子を見れば、高級リゾートとしての一面がモナコのすべてではないことが実感できるはずです。
・グレース・ケリーが眠るモナコ大聖堂
大公宮殿に次いで、モナコ・ヴィルにあるもうひとつの必見スポットが、公室の公式行事が行われるモナコ大聖堂。1875年、ロマネスク・ビザンチン様式で建てられた堂々たる建物で、内部にはカララ白大理石の司教座や祭壇、黄金色に輝くモザイク画などが見られる荘厳な空間が広がっています。
加えてこの大聖堂は、1956年、人気絶頂でハリウッド女優を引退し、モナコ大公レニエ3世のもとに嫁いだグレース・ケリーゆかりの地でもあります。1956年4月19日にグレース・ケリーとレニエ3世との結婚式が行われたのがここなら、1982年9月18日にグレース・ケリーの葬儀が行われたのもここ。
そして現在、グレース・ケリーが眠っているのもこの大聖堂です。本名の「Gratia Patricia」の墓碑銘が刻まれた世紀のプリンセスのお墓をたずねてみてください。
・モナコ公室御用達チョコレート
旧市街でモナコ土産を探すなら、モナコ公室御用達のチョコレートショップ「ショコラトリー・ド・モナコ」がおすすめ。
グレース・ケリーのお気に入りを詰めたボックスもあり、気品あふれるパッケージの高級チョコレートはお土産に喜ばれること間違いありません。ティーサロンも併設していて、町歩き中のひとやすみにもぴったりです。
情緒あふれる歴史的な町並みが広がるモナコ・ヴィル。従来のモナコのイメージを覆すかのようなこの地区を歩けば、モナコが小さいながらも多彩な表情をもつ国であることが実感できるはずです。
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