世界の陸運業界に絶大な影響力を与えたUber。ですが同時に、各国でUber反対運動も巻き起こしています。
インドネシアの一部地域では、Uberを始めとしたオンライン配車サービスが禁止されてしまいました。これは最高裁の判決がもたらした司法上の混乱でもありますが、同時にオンライン配車サービスに強く反対する団体も存在します。既存タクシー運転手による反Uberデモは、ジャカルタでも発生しました。
空港や観光客の多いエリアでは、Uberの乗り入れができないということもあります。
しかしそれとは対象的に、隣国マレーシアはUberの利便性をフル活用しているようです。
・空港内にUberの広告
クアラルンプール国際空港。東南アジアのハブ拠点として、ここは連日多くの利用客を集めています。
ここに到着してまず目立つのは、Uberの広告。どうやらここは、敷地内へのUberの乗り入れが頻繁にあるようです。
インドネシアのスカルト・ハッタ国際空港は、空港でのオンライン配車サービスのピックアップは禁止されています。市内から空港へ入ることはできますが、その逆はできないのです。しかし、クアラルンプールでは各会社がオンライン配車サービスとタイアップしているようです。
・破格の料金
クアラルンプール国際空港でエアアジアのチェックインを済ませると、ボーディングパスと一緒にこんなものを渡されます。
どうやらボーディングパスを入れるホルダーのようですが、同時にこれはUberの広告です。この時点で、インドネシアとは大きな差を感じざるを得ません。
空港からクアラルンプール市内(KLセントラル)までのアクセスは、車で1時間半ほど。料金はバスが10~12リンギット(約270~320円)、タクシーは100リンギット(約2700円)程度、そして高速鉄道KLIAエクスプレスは片道55リンギット(約1480円)です。その中でUberは、筆者が確認した限りでは最安72.80リンギット(約1960円)という数字でした。
従来のタクシーに比べると、まさに破格と言ってもいい料金です。
・新興サービス「Grab」
クアラルンプールで活躍するオンライン配車サービスは、Uberだけではありません。
最近ではシンガポール資本Grabも、Uberに負けず劣らずの勢いを見せています。じつはこのGrab、ASEAN地域で今一番注目されている企業でもあります。
先述のKLIAエクスプレスとGrabは、タイアップ企画を打ち出しています。KLIAエクスプレスとのパッケージプランを用意し、より利便性の高いサービスを実現させています。
オンライン配車サービスが登場する以前、クアラルンプールのタクシー事情はお世辞にも便利とは言えませんでした。目的地が近距離では乗車拒否され、そうでなくともメーターではない料金を要求されるということがよくありました。そうした不正を、UberやGrabが是正しているという側面も見受けられます。
もちろん、オンライン配車サービスは我々旅行者にも多くの恩恵をもたらしています。
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