我が国固有の領土「島根県・竹島」をめぐる韓国のプロパガンダ戦略が、着々と国際舞台の外堀を埋め始めている。
政府は8月28日の閣議で「2018年版防衛白書」を了承した。だが、韓国政府はその中で「わが国固有の領土」と明記したことにすぐさま抗議。日本大使館の公使を呼びつけ「不当な領有権の主張を繰り返した」「直ちに撤回することを求める」と批判した。
今さらだが、竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上でも明らかに我が国固有の領土であり、 韓国による占拠は国際的に”不法占拠”であることは言うまでもない。これには「また韓国の恒例行事か」と呆れて、なかば食傷気味な国民も多いだろう。だが、日本人の韓国恒例行事への”根負け”こそが、ジワジワと危険な事態を生んでいる。
米国Apple社が、iPhoneのマップで”日本語設定”以外を全部「独島」表記に一本化してしまったのである。現在、iPhoneの言語設定で「日本語」を選んだ場合は「竹島」と表記されるのだが、「English」など日本語以外の設定ではすべて「독도(ハングル語で独島)」と表記され、「竹島」は完全に削除される形となった。
百歩譲って、仮に韓国に配慮するとしても英語版などには”リアンクール岩礁”(第三国での名称)とすべきだろう。Appleがここまで韓国寄りの表記を選んだ背景には、ネット上で「韓国を正しく伝える」を標榜する”VANK”なるNGOの団体の集中的なメール送信などがある。同団体は世界各国の地図出版に対し、「独島」「東海」などの表記を求める運動を繰り広げている。企業判断など民間レベルでの竹島問題は、まさに”言ったもん勝ち”の世界と化しているのだ。
このApple社の方針に、ネットSNSメディアでは日本ユーザーの怒りが爆発。「要はAppleは、日本人にだけ『竹島』を見せておけばいい、と考えている。バカにしてるのか?」「えっ、スマホのiPhoneシェア率世界一の日本に対してその仕打ち? 顧客失っても仕方ないね」「韓国云々を度外視しても、国際法を無視した地図表記だ」と厳しい批判が相次ぎ、中には不買を呼びかける過激な声まであった。
ちなみにGoogleマップは、かつて2012年に竹島を独島(韓国語版)、リアンクール岩礁(英語版)と表記したり、日本海を東海(韓国での呼称。英語版で)と表記したこともあった。だが、これに対し、2013年の安倍政権が「日本名でない表記」だとして自治体や国立大に対し、HPで利用しないよう通知。さらに、2013年度のグッドデザイン賞の大賞(内閣総理大臣賞)に1位の得票で選定されたGoogleマップを、政府が「最も優れたデザインとは認めがたい」として、大賞が「該当なし」となった。その結果なのか、現在Googleマップでは英語版で「竹島」「日本海」の表記を採用している。
日韓の問題については、とかく韓国側のみが大騒ぎして、日本人は距離を置き、静観する傾向がある。だが、韓国プロパガンダへの”根負け”こそが国際的に誤った認識を広めてしまう。安倍政権に外交問題として任せるのではなく民間レベルで、VANKらの横暴に異議の声をあげ続ける覚悟が必要ではないだろうか。