長野県松本市のシンボルとして市民や観光客から親しまれている松本城。威厳ある外観の城は国宝にも指定されており、まさに市民の誇りでもあります。
周囲の風景との調和も素晴らしく、見る者に感動をあたえてくれる松本城。特に冬場になると雪をかぶった白いアルプスを背景に黒い城がよく映え、まるで水墨画のような情緒あふれる光景を演出するのです。
そんな松本城で春に楽しめるのが、城の至るところで咲き乱れる美しい桜。開花が始まるとソメイヨシノや八重桜、しだれ桜など約300本もの桜が一気に花開き、夜のライトアップのほか「夜桜会」というイベントも開催されます。
ところで、今年の桜の開花時期はいつ頃になるのか、みなさんはもうチェックされましたか?今年は冬が暖冬だった影響を受け、桜の開花時期は平年並みかやや遅れるという予想が出されています。東京では3月21日が開花日と予想されていますが、寒さの厳しい長野県では4月6日。開花時期がかなりずれているので、東京で桜を楽しんだあと時間差で長野県へ遊びに行ってお花見をするなんて事も可能です。
松本城の桜も、4月の中旬頃には見頃を迎えることでしょう。松本城では城を管理する管理事務所が場内の桜をチェックし、開花宣言を行います。そして開花宣言の3日後から約1週間のあいだに、桜のライトアップと「夜桜会」が開催されます。
ライトアップされる桜のなかでも特に迫力があるのが、城を囲む「光の回廊」です。ここではお堀沿いに咲くソメイヨシノが光で照らされ、夜桜がつくり出すはかなくも幻想的な世界を心ゆくまで楽しめます。
「夜桜会」では、普段は有料となる場内が無料開放されます。一歩場内へ足を踏み入れると、目に飛び込んでくるのは立派なしだれ桜。その風格ある姿は、背後に立つ松本城にも負けないほどです。
ここではお茶会も開催され、桜を愛でながらお抹茶とお菓子を頂くこともできます。雅楽の生演奏もされており、気分はまるで平安時代の貴族のよう。
日中は花吹雪が舞うなか、満開の桜で埋め尽くされたお堀の外を歩いてみてはいかがでしょうか。
桜の花のあいだから時おり顔をのぞかせる松本城は、厳しい冬のあとにようやく訪れた春の到来を喜んでいる様にも見えます。
威厳ある姿の松本城を幻想的にいろどる数々の桜。春に松本を訪れるのであれば、国宝に咲く誇り高き桜の美しさにぜひ酔いしれてみてください。
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