アフリカ大陸の西側に浮かぶカナリア諸島の中で、最も大きな島であるテネリフェ島。島の大きさは東京都とほぼ同じくらいですが、砂漠のような風景や木々の茂る森、溶岩が固まってできた岩ばかりが広がる荒々しい景色など、エリアごとに様々な表情を見せてくれます。
そんなテネリフェ島の自然を楽しめるハイライトのひとつが、スペイン最高峰を誇るテイデ山のふもとに広がる国立公園。約19,000ヘクタールの広大な公園は、長い歳月を経て自然がつくり出した絶景を間近で感じることのできるスポットです。
他では見ることのできない迫力満点の風景が広がり、ハイキングコースとしても人気のテイデ国立公園。その独特な景観と唯一無二のスケールは数々の映画監督をも虜にし、これまで「スターウォーズ」や「ワンダーウーマン」をはじめとする映画の撮影地として選出されました。
様々な映画が撮影されたということもあり、もしかしたら皆さんも知らないうちにこの公園の大自然を目にしているかもしれません。さきほどテネリフェ島では場所ごとに様々な景観が楽しめると紹介しましたが、園内でも標高が上がるごとに周囲の景色がどんどん様変わりしていきます。
海抜1400mあたりの地点に広がるのは、広大な松林。国立公園内を走る道路脇には展望スポットになっている場所もいくつかあるので、良さそうな場所を見かけたらぜひ車を止めて周囲の景色を楽しんでみてください。
公園から南のヴィラフロールという町へ抜ける途中には、周囲の松よりもはるかに大きな木が立っています。「ピノゴルド」と名付けられたこの松は高さ45m、幹の周囲は9m以上もあるという巨大なもの。樹齢は1000年以上と言われ、そばに立っているだけで1000年以上を生きた巨木の聖なる力を感じているかのような気持ちになります。
松林が広がる地点よりさらに標高が上がると、そこに広がるのは岩ばかりがゴロゴロ転がる荒々しい光景。砂地に岩ばかりが転がる様子は、まるで月や火星の光景が目の前で再現されているかのようでもあります。
この辺り一帯の地形はテイデ山の噴火によって形作られたもの。赤茶色の岩はすべて、溶岩が固まってできた岩です。
そしてテイデ国立公園でのハイライトが、「神の指」こと「ロケ・シンチャド」をはじめとする奇形の岩々。その形で立っていることが不思議なくらい絶妙なバランスで立っているロケ・シンチャドは、ユーロが導入される前には背後のテイデ山とともにスペイン紙幣に描かれていたこともありました。
奇妙な形の岩々は、すべて人の手を加えずに形作られたもの。自然が持つ力の威力をまざまざと見せつけられているかのようです。
テイデ国立公園内は道路が綺麗に舗装されており、ドライブも快適。各地にある展望スポットに車を止めながら、ここでしか見ることのできない絶景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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