大阪府は全国一の「喫茶店王国」。ドリンクを注文したらトーストやゆで卵が自動的に付く「名古屋モーニング」を提供することで有名な愛知県を抜いて、飲食店の内でも喫茶店の占める割合が日本で一番高いのが大阪府です。

もともと、日本の「喫茶店文化」は関西発。大阪の喫茶店文化は、明治時代にさかのぼり、店内のレトロで重圧な雰囲気、店備え付けの雑誌や新聞、アイスコーヒーを「冷(レイコー)」と呼ぶなど現在でも関西で花開いた喫茶店文化の名残は残っています。

その文化のひとつが「ミックスジュース」。喫茶店の占める割合が日本で一番高い大阪は、ミックスジュース発祥の地でもありました。

今回はご紹介するのは「ミックスジュース発祥の店」といわれる大阪・新世界の老舗喫茶店『千成屋珈琲』。店舗は、大阪通天閣のお膝元、新世界の「じゃんじゃん横丁」内にあります。

・伝統の味を引き継ぎ、今でも元気に営業中の老舗喫茶店「千成屋珈琲」

1948年創業の「千成屋珈琲」は、営業開始から70年経つ今も「ミックスジュース発祥の店」として、地元の方に愛飲されています。

元々は、果物店の店主でもあった創業者が、「売れ残った果物を捨てるのはもったいない」とジュースにしたのがミックスジュースの始まりなのだとか。

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