あくまで著者の視点から「行きにくい場所」にあるグルメ。それを秘境グルメとして紹介するシリーズ。今回はチベットの聖地に行ってみました。

・もともとは何もない広大な草原
今回行ってみたのは、中国四川省の首都である成都から自動車で19~20時間ほどの場所に位置するチベットの秘境、アチェンガルゴンパ(亜青寺)。この地域は標高3800メートルほどの高地で、もともとは何もない広大な草原でした。







・住民のほとんどが僧侶
ところが1985年にとある出来事が起きます。チベット密教のカリスマ的存在、大僧正ケンポアチュリンポチェがこの地にたどり着き、大僧正を崇める僧侶たちが集まり、いつしかアチェンガルゴンパとして聖地となりました。つまりアチェンガルゴンパに住んでいる人たちはほとんどが僧侶です。僧侶でなくとも信者です。

・思考能力もどんどん下がってい
富士山よりも高い場所に位置する地域なので、長く滞在していると高山病になる可能性が極めて高いのですが、案の定、高山病になりました。頭痛だけでなく、意識が朦朧として、さらに運動していなくとも疲労感があります。思考能力もどんどん下がっていく感じがします。








・朦朧としながら行ってみる
どんなに高山病でも腹が減るもので、僧侶に教えてもらって美味しい食堂を教えてもらい、朦朧としながら行ってみることにしました。フラフラとしながら僧侶の街を歩く私は不審者そのものだったと思います。

・店主や店員さんは信者のよう
やってきたお店は「安多桶曲飯館」。ググってもまったく情報は出てきません。お店は柱などを木で作り、壁をコンクリートのようなもので固めているようです。店内に入ると、店内にヤカンが置かれたストーブとテーブルがあり、好きな場所に座ってもよいようす。店主や店員さんは信者のようです。客は98%僧侶です(たぶん)。あと秘境を見学に来た中国人。











・チャーハンを注文
壁に貼られたメニューを見てみると、その大半が中華料理。日本でもよくある中華料理系の食堂と同じラインナップ。店員さんによるとオススメはチャーハンとのこと。

こんな秘境にきてまでチャーハン!? と思ったが、こういう店だからこそチャーハンがとびきりウマイかもしれない! ということでチャーハンを注文。







・よく見かけるタイプのチャーハン
テーブルに置かれたバター茶は飲み放題! これは嬉しい。まったく脂っぽくなく、あっさりしていてゴクゴク飲める。何杯も飲んでいたら、おばちゃんがチャーハンを持ってきてくれた。おお! 見た目は日本でもよく見かけるタイプのチャーハン。旨そうだ。

・バター茶との相性が抜群
その味だが、パラパラしててウマイ! 米粒の水分量が少なく、それでいて油分が多いからなのか、とっても香ばしいテイスト。うんうん、これはいける。どんどん食べられる! しかもバター茶としっかり合う。オイリーなチャーハンとあっさりなバター茶、最高!


・二度と食べられない
とはいえ、チャーハンを食べても高山病が治るはずもなく、宿に帰って寝て、翌日の下山(?)に備えて寝た。でもこのチャーハン、どんなに美味しくても、二度と食べられないかもしれないんだなあ。

ちなみに取材時は問題なかったのですが、2019年9月現在は、中国政府の指示によって外国人の立ち入りが禁止されているとの情報があります。残念ながら入境が許されるまで待つしかなさそうです。

もっと詳しく読む: 外国人立ち入り禁止地域 / アチェンガルゴンパの中華食堂でチャーハンを食べる(東京メインディッシュ) http://main-dish.com/2019/09/11/unexplored-area-gourmet-yachen-gar/