東洋と西洋が交わる世界唯一の都市、イスタンブール。トルコ最大のこの都市の魅力は、なんといってもその独特の混沌とした雰囲気。
現在と過去、西洋と東洋の文化、教会やモスク、シナゴーグなどの宗教施設、ありとあらゆるものが混ざり合いながら共存しているこの街は、一度訪れるときっと誰もが虜になるはずです。
そんなイスタンブールの「カオス感」を代表する場所といえば、旧市街にあるグランドバザールです。中東最大規模の屋根付きの市場であるグランドバザールは、1453年にコンスタンティノープルを陥落させた征服王メフメト2世の命によって建設されたのが起源です。
メフメト2世が建設したのは、主に金・銀・宝石などの貴金属類を扱うイチ・ベデステンと絹などの商品を扱うサンダル・ベデステニという二つの市場でしたが、時代が経つごとにバザールは拡大を続け、いまでは店舗数は4000以上、市場内の通りは60本以上、一日に25万人以上が出入りするという巨大バザールに発展し、イスタンブールを代表する観光スポットとなっているのです。
一度中に入れば、必ず迷子になってしまうといっても過言ではない迷路のようなグランドバザールの見どころは、もちろん雑貨や貴金属、スパイスや茶葉などの食品を売るお店なのですが、バザールに来たからにはぜひ立ち寄っておきたいのが、シャルク・カフヴェスィです。
シャルク・カフヴェスィは、バザールの中でも特に人通りが多いヤールクチュラル通りにあり、1959年の創業以来、地元の人にも旅行者にも親しまれているバザール最古のカフェ。
バザールの喧騒から逃れるのにちょうどいい場所にあるこのカフェは、実は内装もレトロで趣があるのです。
バザール内で喫煙が許されていた時代の名残で、壁に色づいたタバコのヤニの色がオレンジ色の照明に照らされ、はがれても手入れされないままの絵画が、なんとも絶妙な雰囲気を創り出しています。バザールの中にあるのに、天窓からの採光のおかげで、ほどよい開放感があります。
シャルクとは「東の」「オリエンタルの」という意味で、バザールで仕事を見つけるためにトルコの東の地、アナトリアから出稼ぎにやってきた移民に由来しています。
彼らがやって来た時代から変わらず営業を続けるシャルク・カフヴェスィで、バザールの混沌から少し離れて、トルココーヒーやチャイを飲んでみてはいかがでしょうか。きっとその独特でオリエンタルな雰囲気に魅了され、時間旅行をしているような気分になれるはずですよ。
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名前 シャルク・カフヴェスィ(Şark Kahvesi)
所在地 Beyazıt, Yağlıkçılar Sk. No:134, 34126 Fatih/İstanbul