イタリア中部のトスカーナ州は、ルネッサンス芸術の中心地フィレンツェや斜塔で有名なピサがある州で、キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどのワインの一大産地としても知られています。
もしワインが好きで、トスカーナの田舎を旅することがあれば、ワイナリーに立ち寄って、農園を見学したりワインテイスティングを体験したりできるワイナリーツアーに参加してみるのはいかがでしょうか。
今回はピサとフィレンツェのちょうど中間(どちらからも車で約1時間)に位置する自治体サンミニアート(San Miniato)にある「アグリソーレ(AGRISOLE)」というワイナリーを訪ねました。
アグリソーレ(AGRISOLE)は、ぶどう畑とオリーブ畑を所有し、オーナー夫妻と4人の子供たちの手で家族でワインづくりとオリーブオイルづくりを行っている家族経営の農家です。
なだらかな斜面の手前側にあるのはぶどう畑、奥の高いところにあるのがオリーブ畑です。今回訪れた11月上旬はオリーブの収穫の最盛期とのことで忙しそうでしたが、その作業の合間を縫って、こうしてワイナリーツアーを行っているそうです。
12ヘクタールある敷地のどこに何を植えるのかは、湿度と日当たりを考えて決めているとのこと。
この農園ではサンジョベーゼ、コロリーノ、カナイオーロなど、トスカーナオリジナルの品種のぶどうを栽培していますが、品種により性質が異なるため、それぞれの特徴を見極め、ベストな場所で栽培していると話してくれました。
剪定や接ぎ木のことを話してくれるお母さん。ここには70年もの古いぶどうの樹もあるそうです。味の濃いぶどうを実らせるためには、どの枝を切り、どの枝を残すかの見極めが肝心とのこと。
アグリソーレではもともとできる限り無農薬有機栽培に取り組んできたそうですが、3年前からはその証書も取得し、より積極的に無農薬有機栽培に取り組んでいるそうです。
具体的には、農薬を使わず、ぶどう畑の畝の間に他の野菜や豆類を植えて土壌の状態を調節する、低い土地では麦を植えて湿気を取る、など。
11月のおよそ1か月弱かけて収穫するというオリーブの実。約15キロの実から、わずか1リットルのオリーブオイルしか取れないそうです。
畑を見学した後は、実際にワイン造りをしている工房の中へ。
果汁の入ったタンクの前で、どのようにワインが作られているかの話を聞きます。大量生産の工場とは異なり、実に手間ひまかけてワインづくりを行っている様子が伝わってきました。
ボトリングをする機械や、ラベリングする機械もありました。
通常はステンレス製のタンクで管理するワインですが、一部のワインは希少な木樽で熟成させていました。木樽はその木目から酸素が入るため、樽熟成させることによりワインが呼吸して酸が変化し、香りや味わいが変化していくほか、樽の香りがワインに影響も与えてくれるとのこと。
畑と工房を見学したあとは、お待ちかねのワインテイスティング!
最初はここで収穫・圧搾されたオリーブオイルのテイスティングをしました。搾ったばかりの若いオリーブオイルと、一定期間寝かせたオリーブオイルとの味の違いを確かめます。
その後、複数の種類のワインのテイスティングに移ります。
手塩にかけて育てたワインについて語るお母さんはとても熱心で、「トスカーナのワインの魅力を知って欲しい」という気持ちがとてもよく伝わってきました。
お子さんの名を冠したワインもあるほどで、「力強くどっしりした味わい」「優しく繊細な味わい」など、それぞれのワインの個性を丁寧に説明してくれました。
テイスティングしたワインは1本9ユーロから。気に入ったものがあれば買って帰れます。
ワインが作られている土地に行き、生産者の話を聞きながら、その土地で作られたワインを味わう・・・・・・。トスカーナの田舎を訪れたら、そんな贅沢な旅をしてみてはいかがでしょうか。
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア
名称 AGRISOLE(アグリソーレ)
住所 Via Serra, 64 – Loc. La Serra 56028 San Miniato – Pisa
公式サイト(英語) https://www.poderepellicciano.it/en/
Facebookページ https://www.facebook.com/PoderePellicciano/
※ワイナリーツアーはイタリア語および英語での対応。予約必須。