韓国と北朝鮮が南北首脳会談において融和ムードを見せるなか、制裁と圧力を緩めない日本とアメリカに対し北朝鮮が批判を強めていることを8日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で取り上げた。史上初の米朝首脳会談を間近に控え、北朝鮮がお得意の“駆け引き”を始めたのだろうか。

6日、朝鮮中央通信は北朝鮮の外務省報道官の言葉として「圧力の継続は朝鮮半島情勢を再び緊張させ問題解決の役に立たない」と、アメリカに対する批判を報道。また同日の朝鮮労働新聞では日本について言及し「核を放棄するまで制裁や圧力を継続すると主張する日本は、1億年たっても北朝鮮の神聖な地に足を踏み入れることはできない」と非難した。

そして北朝鮮の「核」について、先月27日の韓国と北朝鮮の「板門店宣言」において金正恩委員長は「朝鮮半島の『完全な非核化』実現を目標にする」としていたのに一転、4日の北朝鮮中央日報では北朝鮮高位幹部が「金正恩氏が北朝鮮の命同然の核を完全に放棄するはずがない」と発言したという内容を報じた。

番組出演者の元共同通信社の青木理氏は「(北朝鮮の)真意はよく分からないんですけど、米朝首脳会談の場所と日時についてトランプ大統領がすぐ発表するようなこと言ったのになかなか出てこないですよね」「一部の報道で中国に北の高官が行ったんじゃないかという情報があったりして。ひょっとすると米朝間で核の問題、ミサイルの問題でまだ水面下でいろいろ(事前交渉を)やっているというのもあるのかもしれない」と、北朝鮮が揺さぶりをかけているのではないかと憶測。

弁護士の菅野朋子氏は「金正恩氏から核の完全な放棄は直接は言われてなくて、この前の板門店宣言でも朝鮮半島の非核化は目指すとは言うものの自分の方から一方的にとは一切言ってないですし。アメリカの脅威がなければ…というようなことは今までも言ってたので、そこのところは実は今までも変わってないんじゃないかな」と、先日の「板門店宣言」後も状況は変わっていないとの見方をした。

テレビ朝日報道局コメンテーターの玉川徹氏は「外交って右手で握手して、左手で殴りあうみたいなこともあるんでね。握手だけでずっと進んでいくという方が不自然かなという気はするんですけど……」と、北朝鮮の日米批判について外交戦略と一定の理解を示すような発言をすると、MCの羽鳥慎一は「右手ですごい握手しても、左ですごい殴り方をしている。極端なんですよね」と、北朝鮮の姿勢に違和感を示していた。